「場」を読めるマネジャーになろう!
「もっとしっかり、場を読めよ」。ビジネスには、ロジカルシンキングといった論理的能力も大事ですが、論理だけでは人をマネジメントできません。言葉にならない「場」を読む力が必要不可欠です。あなたは「場」を読めますか?
《CONTENTS》●あなたは人混みでよく人とぶつかりますか?(1P目)●「気配」を感じることが第一歩(1P目)●からだをほぐし、息を感じよう!(2P目)●ロジックだけでなく、「場」を読もう(2P目)
あなたは人混みでよく人とぶつかりますか?
「場」に意識を向けていますか? |
あるプロジェクト会議の席上、プロジェクトリーダーの方針発表に対し、見るからに不満そうに膨れっ面をしている古参のあるメンバー。他のメンバーが気を遣っているのを知ってか知らずか、顔で不満を表すばかりで、なかなか意見を口にしない。
仕方なく、若手メンバーがその古参メンバーに意見を求めると、ようやく口を開くが、自分が「場」に対してどんなインパクトを与えているか気づいている様子もない……。
こんな困ったメンバーや社員が周りにいませんか? また、もしかするとあなた自身がそんな「場」を読めない人になっているかもしれません。
ちょっと簡単なテストをしてみましょう?
あなたは人混みを歩いているとき、よく人とぶつかりますか?
どうでしょう? もしあなたがよく人とぶつかるタイプだったとしたら、「場」を読めない人になっている可能性があります。
「気配」を感じることが第一歩
「場」を読むとは、空間にある雰囲気や空気感を捉えながら、その瞬間に適切な行動を選択することであり、そのための第一歩が「気配」を感じること。人混みで人をよけるのは、言うまでもなく言葉以前の感覚です。これは人の「気配」、つまり、相手の身体からでている雰囲気、エネルギーのようなものをいかにキャッチできるかにかかっています。
コーチングにおいても、この「気配」を感じることは重要な要素になります。コーチングの流派の一つであるコーアクティブ・コーチング™では、コーチが相手の話を聴く際の意識のレベルを3段階に分けて考えています。
■レベル1=内的傾聴(Internal Listening):自分自身にだけ意識がある状態
■レベル2=集中的傾聴(Focused Listening):自分自身だけでなく相手にも意識がある状態
■レベル3=全方位的傾聴(Global Listening):自分を含め、自分の周り360度すべてに意識がある状態
コーチは少なくともレベル2、さらにはレベル3にいることが求められます。レベル2を相手と自分を直接結ぶ「水道管」だとすれば、レベル3は「ラジオ」にたとえられます。相手から発せられる「気配」は、相手の言葉や表情に集中しているだけでは捉えられません。全方位に意識を広げることによって、なんとなくフッと感じられるものなのです。
どうやれば「気配」を感じ、「場」を読めるのでしょう? 次ページへ>>