「オンリーワン」という言葉は人々を勇気付けてくれます。しかし、一方で人々を現実から目を逸らさせる麻薬にもなります。「ナンバーワン」と「オンリーワン」は対立するのでしょうか? 本当の「オンリーワン」になる方法を探ります。
《CONTENTS》●オンリーワンを目指して、競争を放棄する人たち(1P目)●オンリーワンは努力の結果、発見するもの(1P目)●相手の二つの「主題」をとらえる(2P目)●「ナンバーワンのオンリーワン」を生きよう!(2P目)
オンリーワンを目指して、競争を放棄する人たち
「オンリーワン」という言葉に逃げていませんか? |
激しさを増す競争社会の現実の一方で、競争に背を向ける人たちも増えています。そんな人たちのバックボーンになっているのが、「オンリーワン」という考え。
人を花にたとえて、「一人ひとりはもともと特別なオンリーワンだから、ナンバーワンにならなくていいよ」とSMAPが歌った「世界に一つだけの花」は、大ヒットし、今も歌い継がれています。
確かに人間一人ひとりはユニークで、価値ある存在です。ナンバーワンになることだけを目指し、相手を蹴落としながら競争しても、その価値は生かされません。「オンリーワン」という言葉で、ホッと一息をつき、救われた人も多いでしょう。
しかし、「自分はオンリーワンですから」「もともと素晴らしい存在なんですから」といって、何かに向けての努力を放棄している人も見られます。
競争することは意味がないのでしょうか? ナンバーワンを目指すことは不要なのでしょうか?
オンリーワンは努力の結果、発見するもの
「自分の中に眠っているオンリーワンを発見するには、いったんナンバーワンを目指す必要がある」株式会社エデュケーションの西田徹・代表取締役は、その著書『最高の自分になる 6つの力』(中経出版)でこう語っています。相反するものとして語られがちな「ナンバーワン」と「オンリーワン」ですが、どちらも必要なものとして考えられています。
オンリーワンを発見するために、他人とも競争する世界でナンバーワンを目指して自分を磨く必要があります。ナンバーワン、目標達成に向けて、あえて自分にとって辛いことや厳しいことも課していくのです。しかし、ここで忘れてはならないのは、ナンバーワンや目標が最終目的ではないことです。
「ナンバーワンは、最終的な目的ではなく手段であり、そこに到達するプロセスを経験した自分自身こそが「オンリーワン」なのです。」
(『最高の自分になる 6つの力』より)
上司はついつい、売上目標をはじめとする「ナンバーワン」の部分に焦点が当てがちです。確かにそれも大事ですが、部下の「オンリーワン」の部分にどれだけ焦点を当てているでしょうか?
次に、部下の「ナンバーワン」と「オンリーワン」の両方を引き出すマネジメントのポイントを紹介しましょう。
「ナンバーワン」と「オンリーワン」の両方を引き出すには? 次ページへ>>