コーチング/人材育成・組織作り

部下の話は中断しなさい!(2ページ目)

「相手の話は中断してはいけない」。相手の話を聴くための常識だと思っていませんか? しかし、相手の話を本当に聴くためには、むしろ中断したほうがいいのです。中断するコツをお伝えします。

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド


相手も「話を止めてほしい」と思っている


あなたが話を聴いていてイライラするのはどんなときでしょう? いくつか、イライラする場合を挙げてみると……。

1)延々と状況説明をして、なかなかテーマの核心に入らない。
2)できなかった言い訳ばかりをして、次の行動を話さない。
3)他人の考えばかりを説明して、自分の考えに触れない。
4)いろいろなところに話が飛び、テーマからずれていく。

こんなときに、黙って話を聴き続けても、イライラするばかりで本当に話を聴くことができません。そして実は、相手も話を中断してほしいと思っていることが多いのです。思い切って、「ちょっと話を止めてもいい?」と言ってみましょう。そして質問を投げかけてみましょう。

1)「それで、私に一番伝えたいことは何だろう?」
2)「その失敗体験から学んだことは何だろう? 次にどうしたらいいと思う?」
3)「それで、○○さんはどう考えるの?」
4)「確か、今日のテーマは□□だったけど、その話でいいのかな?」

中断するから相手の話を最後まで聴ける


相手の話を中断して、質問を投げかけることで、相手の話をより深く、より短い時間で聴けるようになります。忙しい中、部下と話をする時間は限られています。中断するからこそ、本当の意味で相手の話を最後まで聴けるのです。

ただし、中断する際にしてはならないポイントがあります。それは部下の話をさえぎって、自分の意見を述べたり、相手の話を批判すること。これは「自分のため」の中断であり、確実に相手との関係を悪くします。

大事なのは「相手のため」の中断です。相手が本当に話したいことを話せるように、「相手のため」に中断するのです。そのためには「相手が本当に話したいことは何か?」に意識を向け続け、中断が必要なときにすかさず止めて、質問しましょう。

「それで私に一番伝えたいことは何だろう?」
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