一見、何の変哲もない9つのマスからなる「マンダラート」。その開発者の今泉浩晃さんへのインタビュー、2回目です。前回の「企画」への活用に続いて、「会議」でも威力を発揮するマンダラートの特徴を解説していただきました。

中心から展開し、中心に収束する

(株)ヒロアートディレクションズ 代表取締役・今泉浩晃さん

――マンダラートは真ん中のマスに対して8つのマスがあることがいいですね。1つでもないし、かといって、いくらでもあるわけではない。8つという制約がある。

今泉:1つだけだと見方が固定して、決め付けてしまいます。一方、何の制約もないと、何がテーマだったかわからなくなったり、中心を見失ってしまいます。マンダラートの場合は常に中心があります。中心から周辺に向かって「展開」する方向と、周辺から中心に向かって「収束」する方向の2つがあります。

――なるほど。マンダラートは単に発想を広げていくだけのツールではないんですね。

今泉:そうです。例えば、ちょっと大きいテーマですが、「人間とは?」というマンダラートを考えてみましょう。中心のマスに「人間」と書いて、周辺のマスにそこから連想される言葉をどんどん置いていきます。ある人は「ズボラ」という言葉が浮かんだとしましょう。もし、周辺のマスが1つだったら、「人間はズボラだ」と決め付けることになってしまいます。

――でもマンダラートはマスが8つあるから……

今泉:「これもある」「あれもある」ということになって、「人間」のいろいろな面が見えてくる。これが「展開」です。いきなり何か一つに絞ろうとするのではなく、ボクシングのジャブを打つような感覚でどんどん出していくんです。

――ついつい一つの正解を探そうとしてしまって行き詰ることはよくありますね。

今泉:真面目な人ほどそうなりがちなので、ぜひマンダラートを使ってもらいたいですね。まずは気楽に挙げて書き出していくことです。そして、挙げた8つを見ていると、今度は中心の「人間」とはどういうものかが浮かび上がってきます。これが「展開」の次にくる「収束」のプロセスです。

 


――マンダラートにおける「展開」と「収束」のプロセスは、会議などでの集団での議論に役立ちそうですね。

今泉:そうです。会議中にマンダラートを思い浮かべるだけでも、ファシリテーションは格段にうまくなります。

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