4つの礎・3つの指針・5つの資質
あなたは部下を光輝く「スター」と見ていますか? |
コーチングの関係の土台となっている「4つの礎」。輝くスターであるクライアントの中心にある「3つの指針」。そのスターの中心に向って、コーチングの関係から伸びている「5つの資質」。それぞれがどういうものか、簡単にご紹介しましょう。
●4つの礎
これはコーアクティブ・コーチングを行う上で必ず持っておく考え方です。単なるお題目ではなく、後でご紹介する「3つの指針」や「5つの資質」と密接に結びついている考え方です。
●3つの指針
輝くスターの中にある「3つの指針」。これはクライアントの人生全体の質を高めるために欠かせないものです。つまり、本来輝くスターであるクライアントが、より光輝くための燃料となるものです。
これにはフルフィルメント・バランス・プロセスの3つの種類があります。
●5つの資質
コーチがコーチングの関係にもたらすもので、クライアントの「3つの指針」・本質を照らすライトに例えられます。この光によって、クライアントは自分自身の内側や外側で起きていることを認識し、「望ましい状態を創るにはどうしたらよいか」という答えを自ら見つけていきます。
傾聴・好奇心・直感・自己管理・行動と学習の5つありますが、すべて、クライアントが光輝くために使われます。
あなたは部下を中心においていますか?
今回はコーチングの全体像を紹介しましたが、いかがでしたか? それぞれの構成要素についての説明は次回以降でさらに行っていきますが、まず覚えておいてもらいたいのは、真ん中には輝くスターがあること。これだけでたくさんのメッセージが含まれています。上司が部下をコーチングする場合で考えてみましょう。部下は光輝やく存在であり、コーチングの主役は部下であること。主役はコーチである上司でもなく、会社やチームの目標でもありません。コーチングの目的は、クライアント(部下)が自らの人生を最大限に生きる(「スター」として光輝く)ことであり、コーチ(上司)はそれをサポートすることなのです。
もちろん、上司と部下はコーチングの関係に限りません。ただ、上司であるあなたが部下をコーチングしようとするとき、この中心に輝くスターとそれを取り巻く意図的な協働関係を思い出してください。
ここからコーチングは始まります。これがなければ、いくら質問をしていたとしても、あなたの部下への関わりは「コーチング」ではなく「コーチングもどき」です。
中心に光輝くスター。その輝きの素となる「3つの指針」。それを取り巻くコーチとクライアントの「意図的な協働関係」。その土台となっている「4つの礎」。そして、コーチングの関係からスターの輝きに向かう「5つの資質」。
それぞれについてはまた詳しく紹介していきます。すぐに知りたい方は、『コーチング・バイブル』をお読みください。
【参考文献】
■『コーチング・バイブル』(ローラ ウィットワース/フィル サンダール/ヘンリー キムジーハウス著 CTIジャパン訳 東洋経済新報社)
【関連サイト】
■CTIジャパン(コーアクティブ・コーチングを伝えるコーチ養成機関)
■「コーチングの基本を知ろう!1――教えるコーチ・教えないコーチ」
■「コーチングの基本を知ろう!2――コーチはタクシーの運転手です」
■「コーチングの基本を知ろう!3――「質問」のパワーを活用する」
■「コーチングの基本を知ろう!4――「相手を映し出す「鏡」になろう」
■「コーチングって何だろう?」