コーチング/コーチング基本知識

コーチングの基本を知ろう!2 コーチはタクシーの運転手です(2ページ目)

「コーチングの基本を知ろう!」シリーズの第2回目は「コーチはタクシーの運転手である!」という大胆な例えでコーチの本質をお伝えしながら、コーチングを支えるマネジメント理論も紹介します。

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド


人は怠惰か? 勤勉か?

人はカネだけでは動かない
ここであなたに質問です。人に対する見方として次に挙げたような二つの見方があります。あなたはどちらの見方に賛成しますか? あなたの部下を思い浮かべてみてください。どうですか?

1)人は基本的に怠惰であり、アメやムチによってコントロールしない限り動かない
2)人は基本的に勤勉であり、条件や環境さえ整えば、特に周りから言われなくても自発的に動く


どうでしたか? これは、アメリカの経営学者であるマグレガーが唱えた「X理論とY理論」という考え方に基づくものです。マグレガーは1)の見方をX理論、2)の見方をY理論と名づけました。そして、従来のマネジメントがX理論で行われてきたけれども、さまざまな人間行動の研究からY理論に基づくマネジメントの可能性を提唱したのです。

今度はあなた自身の仕事に対する態度を振り返りながら、二つの見方をみてください。あなたはどちらの見方に賛成しますか?

自分のこれまで行ってきた仕事を振り返ったときに、誰かにやらされたのではなく、あなた自身が自ら動いて行った仕事があるでしょう。コーチはX理論ではなく、Y理論の見方に立って、相手の可能性を引き出していきます。

上司の見方が部下の行動を決める

上司の見方がX理論からY理論に変わるだけで、部下の行動に大きな変化が現れます。ちょっと想像してみてください。もし、あなたが上司からいちいち指示されて、コントロールされたら、やる気は出ますか? 

やる気は出ませんよね。

X理論の見方をする上司のもとでは、コントロールの結果として怠惰な部下が生まれ、その部下を見て上司は「コントロールしなければ」とますますコントロールを強めていく悪循環に陥ります。

逆に、コントロールを手放し、部下が自分で意思決定できる余地を与えたらどうでしょう?

この場合、部下がやる気を高めて、勤勉になる可能性が高まります。というのも、人は自己決定の感覚が高いほど、仕事に対する満足感が高まるからです。

部下のやる気が高まる善循環とは? 次ページへ>>
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