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部下を指導するときに読みたいコーチング本・ベスト5 お薦めコーチング本・ベスト5(2ページ目)

部下を指導するときに、どのコーチング本を読んだらいいいのか? 私・宇都出雅巳が独断と偏見で選ばせてもらったコーチング本・ベスト5の発表です。

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド


第3位:『はじめのコーチング』

意識と責任感を高めるコーチングを提唱
本書は第4位として紹介したガルウェイ氏のインナーゲーム理論に基づいたマネジメント、コーチングを解説しています。核としては、日本のコーチング本の多くで紹介されている「GROWモデル」(Goal・目標―Reality・現実―Options・選択肢-Will・意思)の手順に沿って、具体的な質問例や、会話例が紹介されています。

しかし、単なる質問集や手順書ではありません。コーチングの本質的な部分がしっかりと押さえられています。例えば、本書には次のような言葉があります。

「意識」と「責任感」を育てることが、優れたコーチングの真髄である

「意識」するとは、自分のまわりで起きていることを知ること。上司と部下は同じモノやヒトを見ていても、実は見え方・聞こえ方・感じた方は全く違います。上司には見えていても、部下に見えていないことは実はたくさんあります。部下が上司と同じレベルでインプットできるようになると、行動の選択肢は増え、可能性が広がっていきます。

また、「責任感」を育てることの重要性はお分かりですよね。部下が自分の考えや行動に対して、心から自分自身に責任があることを認め、自ら選択して責任を引き受けると、仕事に対する関わりは高まり、結果として成果も上がります。

このように、「意識」と「責任感」を高めるということを基本に据えたコーチング、マネジメントを展開し、解説しています。上司は部下に対して、「意識」と「責任感」を高めることしかできない。そして、そのことによって、結果的に部下の可能性を引き出し、成果を上げることができると考えているのです。上司にとってみれば、自分の部下への関わりが、部下の「意識」や「責任感」を高めているかどうかで、自分のマネジメントをチェックすることができます。

第2位:『図解・部下を伸ばすコーチング』

新しい組織・マネジメントにおけるコーチング
本書のもととなっている『部下を伸ばすコーチング―「命令型マネジメント」から「質問型マネジメント」へ』は、今から6年前に出版されたコーチング本のはしりです。今も版を重ねており、つい最近、図解によってよりわかりやすくした本書も出版されました。本書は4章に分かれています。各章の要点を簡単に説明すると……。

第1章・「答えのない時代のマネジメント」では、現代における社会・経済環境および、企業組織の変化を踏まえて、新しい時代のマネジメントの必要性を訴えています。そのマネジメントとは、上司が部下を操作するというこれまでの「操作主義」を捨て去り、上司と部下が互いに協力していく「協働」していくカタチ。それを可能にするのがコーチングであると明確に位置づけています。

第2章・「コーチングとは何か?」では、コーチングを「個人の自己実現をサポートするシステム」と定義し、「部下は皆、無限の可能性を持っている」「すべての答えは部下の中にある」といったコーチングの基本となる考え方を紹介しています。

第3章・「5つのコアスキル」では、コーチングの基本スキルとして、質問・傾聴・直観・自己管理・確認の5つのスキルを紹介し、質問の種類から、聴き方、コーチとしてのあり方にまで網羅的に、実際の対話例も交えながら解説しています。

第4章・「コーチングは会社を元気にする」では、コーチングを導入することによって、企業、マネジメントにどんな成果がもたらされるのかを解説しています。

まさしく、部下を“モノ”ではなく、“ヒト”としてとらえる大きなマネジメントの流れをとらえ、それを実現する方法としてコーチングを位置づけています。コーチングをマネジメントで使うに当たって最低限知っておくべきことを、もれなく知ることができる本です。

それでは第1位は? 次ページへ>>
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