キャリアプラン/キャリアアップの方法

人事異動、担当変更を切り抜けろ(2ページ目)

4月から新しい部署に異動した人も多いだろう。会社員である以上、それが不本意であっても避けられない。こうした変化すら味方にしてしまう「変化対応型キャリア」についてヘッドハンター備海宏則氏から話を聞いた。

執筆者:角田 正隆

柔軟なキャリア・ストーリー

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会社の意図と本人の意志が、ズレているケースがある
―――目標を明確に持ち、その道筋を“ストーリー”として描いておくと、変化が起きたときに冷静な判断が下せる、ということでしょうか。

備海:固執しない程度に意識しておくべきです。夢ばかり描いていても仕方がありません。現実はもっと複雑です。現実に直面しながらストーリーを更新してゆくイメージが適切だと思います。

会社の意図vs個人の意志

―――人事異動ばかりは、本人はどうすることもできませんね。

備海:人事異動に限らず、突然、自分が勤務している会社が買収されたり、競合との合併も今後増えてくるでしょう。外資系の場合、日本法人の業績は好調でも、グローバル戦略の変更によって、部門ごと売却される可能性もないとは言えません。

―――会社頼みのキャリアプランは「危険」ということですね。

備海:そうです。ただ会社を上手く利用することはできます。私が知っている例では、ある商社の営業として活躍していた方が、ファイナンス部に回されたことがありました。

本人にしてみれば、第一線からバックオフィスに「引きずり下ろされた」印象があったのですが、会社としては営業から1歩引いたところで、営業全体を見る経験を積ませ「将来の管理職へステップアップ」させる狙いがあったのです。その方はファイナンス部でも成果を残し、後にMBA留学を勝ち取りました。

ただ注意すべきなのは、「会社の意図と本人の意志が、ズレているケースがある」ということ。今回は「変化」について話をしていますが、実は「変化しないリスク」の方が深刻かもしれません。

変化しないリスクとは?

備海:一例を挙げると、経理財務部門にいる方が、将来のゴールをCFO(最高財務責任者)に設定していたとしましょう。本人としては、経理と財務をバランスよく経験したかったのですが、スペシャリスト育成を望む会社側は、彼を経理にそのまま配置し続けようとして、財務への異動を認めませんでした。この場合は転職せざるを得ないでしょう。


この続きは、4月14日アップ予定「キャリアリテラシーを身に付けろ!」にて掲載いたします。次回は自らも不動産会社の経理財務部門から、ヘッドハンターへと大幅なキャリアチェンジを経験したヘッドハンター備海宏則氏のキャリアについて聞きます。

今後のアップ予定
 ・4月7日本稿 [前編]変化対応型キャリア
 ・4月12日予定  ヘッドハンターのキャリア
 ・4月14日予定 [後編]キャリアリテラシーを身に付けろ!

関連リンク関連リンク
 ・ヘッドハンターに聞く!備海宏則さん [前編] 売れる人材への「ABC戦略」[All About 『キャリアプランニング』]
 ・ヘッドハンターに聞く!備海宏則さん [後編] 30代の決断、30代のヤマ場[All About 『キャリアプランニング』]
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