転職マーケットを知り尽くせ!

ヘッドハンター備海宏則さんは、多くの転職の場面に立ち会ってきた。その彼が優秀なビジネスパーソンに会い、強く感じるのは「誰も転職市場の常識を知らない」ことだ。“年収アップ”にテーマ絞って話を聞いた。

―――転職で年収アップさせる方法を教えてください。
備海:前提として「転職市場は、需要と供給で成り立っている」ことを強調させてください。特に年収アップは、企業ニーズ次第です。ニーズがなければ優秀な人材でも、年収アップできないんです。

“セリ”上がって年収3000万円

ヘッドハンター備海宏則さん
備海宏則(びかい・ひろのり)さん 72年茨城県生まれ。96年慶大商卒。大手人材バンクで若手ハイスペック層の人材紹介に従事。ヘッドハンティング会社サイト・フライトの設立に参画。若手実力派ヘッドハンター。2005年、ヘッドハンティング会社キャリアエピソード設立、代表取締役就任。
転職を繰り返し30代後半で年収3000万円
“セリ”のように年収高騰

事実、約2年ごとに転職を繰り返し、30代後半で年収3000万円に達した人もいます。少し極端な例ですが、企業ニーズがあればまるで“セリ”のように次々と声が掛かるのです。

―――やはり転職は年収アップの“きっかけ”ですか?
備海:大幅年収アップを望むなら転職が一番です。他社との合併で給与制度が変わったり、インセンティブ制度が導入されない限り、急激な年収アップは期待できません。

―――転職の手段は何がお薦めですか?
備海:ヘッドハンティングをお薦めします(笑)。我田引水ですが、基本的に年収アップのオファーが多い。その次は人材バンクへの登録、最後が求人広告です。この順序は「第3者の評価や介在」の度合いと同じです。求人広告は交渉力が弱いんです。

―――1番年収を上げ易い転職パターンを教えてください。
備海:同業他社の同じようなポジションで転職すれば、一番年収を上げ易いと思います。同業のランクの低い会社に移籍してポジションも上昇すれば年収アップ率も高いでしょう。

これはプロ野球の移籍と同じ原理が働きます。あるチームの「抑えのエース」は、別チームの「抑えの切り札」として優遇されます。でも「先発ピッチャーになりたい」といったら難色が付くでしょうね(笑)。

最後の切り札「カウンター・オファー」

―――猛烈な「引き止め」にあいそうですね。
カウンター・オファーで年収450万円アップ!
「カウンター・オファー」で年収高騰!
備海:実は僕らが一番恐れるのは“カウンター・オファー”です。以前、年収850万円だった方を年収1100万円でヘッドハンティングしました。本人が喜んで退職届を提出すると、元の会社は「なに?ウチは1300万円出すぞ!」と―――。

このように、カウンター・オファーが出る案件はかなり多いのです。そういう意味でも転職市場にさらされるのは悪くないことだと思う。
―――その方はどんな仕事をしていたのですか?
備海:ちょっとニッチ(専門的)な仕事をしている方です。だからこの人に抜けられると会社としては痛い。そういう意味では人ができない仕事を身に付けるのも作戦だと思います。

ただニッチな仕事は転職市場が活発でないので、2年に1回ぐらい信頼できるヘッドハンターと接触、市場ニーズを探るといいでしょう。

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