キャリアプラン/キャリアプラン事例

ホリエモンvs三木谷氏 球団再編の勝者は?(2ページ目)

球団参入で激しい争奪戦で、積極的にTV出演した“ホリエモン”の知名度は急上昇した。しかし、「実」を得たのは三木谷氏だった。楽天三木谷社長の“オヤジキラー”ぶりに、キャリアを高める秘密がある。

執筆者:角田 正隆

三木谷氏はオヤジたちと“握手”した
一方、楽天三木谷氏は、球団運営の詰問委員会を設置、トヨタ自動車の奥田碩会長や三井住友銀行の西川善文頭取など、大物財界人を委員に招いた。こうした財界著名人は、大企業経営者が多い球団オーナーに顔が効く。直接的ではないものの、球団参入の後押しになったのは間違いない。

おそらく三木谷氏は、下図のように考えたのだろう。

    「プロ野球に新規参入したい」
            
  「審査委員会の承認を得る必要がある」
            
   「球団オーナーにアピールすべき」

審査委員会は実質的に、球団オーナーたちの意向が色濃く反映される。球団オーナーたちが「NO」と言えば、目的は達成できない。三木谷氏は、(1)ヒゲを剃り (2)スーツを着込み (3)財界人を集め、オヤジたちを「YES」と言わせる材料集めに走ったのだ。

目的を見失うな

サッカー
ディフェンスを切り崩せ
サッカーにたとえるなら、球団参入というゴールを決めるには、ゴールキーパー(審査委員会)をかわさねばならない。そのためには、周囲のディフェンス(財界人)を切り崩すのが一番。メディアを通じてサポーター(市民)の応援を喚起しても、決定打にはならないということか。

ここで三木谷氏に学ぶべき点は、「目的を追求する」というひたむきな姿勢だ。目的を明確に見据え、乗り切るべき障害を見極める。何が1番の障害か判断を下し、その克服にストレートに立ち向かう。そのまっすぐな姿勢がオヤジたちの心を動かす。

目標を定め行動するという意味で、キャリアプランニングにも共通する部分が多い。しかし、「忙しい」「資金がない」などと言って、大きな障害を克服できないと悩みを聞くことがある。三木谷氏は、こうした「自分自身に言い訳する人間」を嫌う。なぜなら言い訳を言うのは簡単で、これでは何も前進しないからだ。三木谷氏の人材に関する考え方

新興のベンチャー企業にとって、球団オーナーが牛耳るプロ野球新規参入のハードルは高い。しかし、球界の体質がおかしいと批判しても、球界参入はますます遠のくばかり。まずは球界参入を果たし、結果で変革を起こすという手段もあるのだ。

一時的な苦難も次に繋げてしまう、三木谷氏のキャリア術については、別記事で詳しく掘り下げるとして、“オヤジキラー”としての三木谷氏をもう少しフォーカスしたい。

球団オーナーの多くを占める「サラリーマン経営者」とは違う、個性的な「オーナー経営者」を三木谷氏はどのように扱ったか。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます