不動産売却・査定/買い換えの基本とテクニック

<10>離婚したときに家はどうする?(2ページ目)

結婚して5年未満の離婚が増えています。買った家の始末はどうするのか?考えたくないことですが、家を売ることもあります。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

家を慰謝料として贈るときには所得税に注意したい


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離婚したときの慰謝料には贈与税がかかりません
人にお金や資産を贈ると贈与税がかかります。配偶者にあげたお金でも、子どもにあげたお金でも贈与税がかかります。しかし、贈与税の例外として、離婚のときの慰謝料の支払いには、贈与税はかかりません。

しかし、贈った財産が所有期間中に増えていたときには、その増えた部分に対して、譲渡所得税がかかるのでご注意ください。贈与税と所得税を混同して、財産をすべて時価で相手に贈ってしまってから、譲渡所得税の請求が贈った人に来るなんてことがあります。贈った人が、贈与財産を取得したときから贈与したときまでの間に価値が増加していた場合には、その差額は譲渡所得です。

Wさんのような短期保有の売却で利益がでることはほとんどないでしょうが、万が一利益が出る資産の分与には、やはり譲渡所得税が課税されますから注意が必要です。

そのときに注意したいのは、離婚時の財産分与として妻に譲渡所得のでるマンションなどを贈った場合です。通常なら、3,000万円の特別控除がありますから、居住用財産の所得なら3,000万円までは気にしなくてもいいのですが、これには条件があります。

離婚のケースで注意が必要なのは、この特別控除は家族や親族への譲渡には使えません。ですから、離婚時の慰謝料の支払いのつもりで妻に含み益のある居住用不動産を渡すと、贈与税は非課税でも、所得税の特別控除は使えずに課税されてしまいます。

こうした場合には、離婚をしてから財産分与を行なえば、3,000万円までの特別控除が使えます。譲渡の相手が妻ではなくて、他人になるからです。

離婚したときのマイホームの解決策として、売りもしない、渡しもしないで、そのまま賃貸して家賃をかせぐという方法もあります。しかし、その家賃の配分をめぐって争うのも面倒ですね。やはり、きれいにいったん清算する事がベストではないでしょうか。

◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆

【ライフプランの中で家の買い換えを考える バックナンバー】

<9>「故郷にUターンで大らかに暮らす」
<8>「高齢者に優しいマチへの買い替え」
<7>「子育て環境で町を選ぶ買い替え」
<6>「親との同居は仕方ないのか?」
<5>「家の最適面積はこうして決まる!」
<4>「街の満足度ランキング」
<3>「子どもの教育を考えた住まい探し」
<2>「相続で家をもらっちゃった!」
<1>「退職前後の家の買い換え」
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