これらのトラブルを招いているのは意識の差
マンションの使用に関することで、賃借人と区分所有者が共通認識をもつのは難しい!? |
賃借人は、購入者である区分所有者と違って、詳細にいたるまでの時間をかけた重要事項説明を受けておらず、管理規約等に関する規則の認識がそもそも薄いということももちろんありますが、やはり最も大きいのはそもそもの「意識の差」といえます。
居住している区分所有者達にとってはマンションは自分達の財産であり、資産価値としての維持に関する関心も高く、多くの人が永住も視野に入れているので、長く快適に暮らしていくために、近隣との関係も維持しようとする意識も多かれ少なかれ芽生えるもの。しかしながら、賃借人にとっては、多くはあくまで一時的な仮住まい。極端に言ってしまえば、トラブルがあったり、使い勝手が悪くなれば、引っ越せばそれで解消されるもの。
ここに双方の意識の差が生まれ、区分所有者と賃借人の大きな溝となってしまう場合も多いのです。区分所有者同士でもトラブルは起こりがちなのに、ましてやそれが、意識の異なる賃借人となると、もともと共通の資産価値意識をベースに持っていないため、双方の理解を促すのは非常に難しいというのが現状です。
また、マンション内に賃貸住戸が増えるのは、マンションの管理組合の運営にも大きな影響を及ぼしてきます。次回はその点について解説したいと思います。