長期優良住宅/長く暮らせる家

年収800万なら長期優良でいくらトクする?(3ページ目)

今年6月にスタートした長期優良住宅。様々なメリットがあるにもかかわらず、まだ消費者には行き届いていない模様。「一体いくらトクになるの?」という疑問にズバリ、「数字」で試算例を一挙ご紹介!

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

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メリット6:「フラット35S」金利優遇期間延長で150万円安く

これまでも、「省エネ」「耐震」「バリアフリー」「耐久・可変性」の4基準のうち1つ以上満たした場合には当初5年間にわたり年0.3%の金利優遇が受けられる「フラット35S」が用意されていますが、長期優良住宅に認定されると、この当初5年間→20年間に延長され、4倍長く金利優遇が受けられます。
省エネ基準
長期優良住宅の認定基準となる次世代基準(平成11年)とその前の古い基準(昭和55年)では年間冷暖房費が約半額ほど違ってくる

これを試算で見てみると、全く優遇なしの通常の「フラット35」よりも、20年間0.3%金利が引き下がれば、3000万円の借り入れで総返済額が150万円ほど軽減される計算になります。

メリット7:「フラット50」で借入額が1.2倍に増

通常、「フラット35」は最長35年間の返済期間ですが、長期優良住宅に認定されれば、返済期間が最長50年に延長できるタイプも登場。50年間の返済ですと当然、最初にローンを組んだ人が生きていない可能性もありますので、売却時にそのローン残債も1回限りにつき引き継ぐ(ローン残債も一緒につけて売れる)という、欧米では一般的になっているアシューマブルローンも今回初登場しました。

マネー
「フラット50」を使うと借入可能額が700万円アップするという試算も
例えばこれも試算例を言いますと、年収500万円で返済負担率を35%として住宅ローン借入可能額を計算すると、返済期間35年間では月々14万円の返済で借入可能額は3713万円(金利3.14%)となりますが、返済期間を50年間とすることで同じ返済額で4411万円(金利3.66%)まで借り入れ可能額がアップ。同じ月々返済額で借入可能額が1.2倍増えることになります。

また月々の返済額を軽減させる計算例では、3000万円のローンを35年間返済(金利3.14%)にすると月々返済額は11万円(117,811円)になりますが、これを50年返済(金利3.66%)にすると10万円程度(109,040円)に7.5%軽減できます。

以上、長期優良住宅に認定されると使える税制・ローンのメリットを7つ挙げましたが、これはメリット1と2が選択制になるほかは、すべて併用できますので是非存分に使いきってください。数字で認識すると、長期優良住宅のメリットが実感できるのではないでしょうか?

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