洗面化粧台は、掃除のしやすさや省エネ性を考慮して選びたい
洗面化粧台は、家族みんなが日々使用する設備機器。洗顔や歯磨き、身だしなみや化粧などだけでなく、洗濯や掃除の際などにも使用するものです。さまざまな用途に用いられるだけに、選ぶ際には、いつでも清潔さを保つことができるように、お手入れのしやすいことは大切なポイント。また、無駄なエネルギーを使用しない、節水や節電を意識した機器であることも重要でしょう。各メーカーの最近の洗面化粧台は、いずれも掃除のしやすさや省エネルギーへの配慮など、細かな工夫やアイデアがみられます。プランや好み、予算に合わせて豊富なバリエーションの中から選ぶことができるでしょう。
上から水が出る水栓まわりのデザインが特徴。入隅を極力なくし、水がたまることなく掃除が簡単に。水が飛びはねがちな高い位置までカウンターが伸びているため、はねた水滴もサッと拭き取れる。 [エルシィ] LIXIL
洗面化粧台の掃除楽々ポイント
最近の洗面化粧台の大きな特徴は、掃除のしやすさやお手入れが楽な工夫が随所にみられること。これは、水まわりの設備機器すべてにいえることですが、各社からは、ボウルや排水口、水栓金具など、細かな工夫やアイデアを施した商品が多くみられます。■排水口 形状の工夫や素材で掃除がしやすい
洗面化粧台で汚れが気になり、お手入れが億劫に感じるのが排水口ではないでしょうか。最近では、バスルームやキッチンの排水口と同様に、洗面化粧台にも簡単にお手入れができるタイプが増えてきています。
排水口の凸凹を無くした形状としたり、排水口のフチの隙間をなくすことで汚れにくく簡単に掃除ができるものなど。排水口だけでなく、組み込まれるヘアキャッチャーの形状や素材などの工夫によって、さっとゴミをまとめることができるものもみられます。また、ヘアキャッチャーを簡単に取り外すことができるタイプ、抗菌・防カビ効果でぬめりやカビ汚れを抑制するものなども揃っています。
泡や髪が流れやすい洗面ボウルは、水がコーナーの排水口に流れる設計なので、お手入れも楽に。排水口に金具がなく滑らかな形状なので汚れも簡単に落とすことができる。 [エスクアLS すべり台ボウル] TOTO
ボウルそのものも素材や表面加工、形状の工夫によって汚れをつきにくくしたり、水はねをしにくくするなど細かな配慮がみられます。カウンターとボウルを一体化することで汚れがつきやすい継ぎ目をなくしたもの、壁側の立ち上がり(バックガード)を高めにするなど、水はねに対応したものなども。また、泡や汚れが排水口に向かって流れやすいように、ボウルの底に傾斜をつけたものなどは、汚れがとどまりにくく掃除も簡単でしょう。
汚れが気になるフランジをなくし、ヘアキャッチャーの構造を工夫することで、髪・ゴミなどをキャッチしながらも通水は妨げない。排水口底部分にも凹凸がなく、スポンジでサッとお掃除が可能。[エルシィ ソコまでてまなし排水口] LIXIL
■水栓金具 設置する位置や形状に工夫して汚れがつきにくい
洗面化粧台の水栓金具まわりも水垢や石けんカスなどがたまり、汚れやすい部分。汚れがたまりにくいように、水栓金具の取り付け位置に角度をつけたり、壁側の立ち上がり(バックガード)部分に設置したタイプも増えてきています。また、ミラーキャビネット下に水栓金具を設置したタイプも。水栓金具が上部にあることで、水あかなどもたまりにくく清潔さを保つことができるでしょう。また、水はねを防ぐことができる、細かなシャワー水流機能を持つ水栓金具もみられます。
■収納トレイ・棚 取り外して洗うことが可能
収納キャビネットの内部も汚れがたまりがちなもの。鏡面内部の収納トレイなどは、取り外して洗うことができるタイプも多くみられるようになりました。簡単に着脱可能なタイプであれば、手軽にお手入れすることができるでしょう。
洗面化粧台の節水・節電機能のポイント
エネルギーを無駄にしない暮らしはあたり前となっています。住まいの設備機器の省エネルギー性能も高まってきており、洗面化粧台では、水栓金具と照明器具の性能がポイントでしょう。手を近づけるだけで水が出て、止まる。手洗い中の出しっぱなしをなくせるので節水にも。石けんのついた手でも水栓に触れずに可能。引き出せるので洗面ボールをお掃除することも。[ウツクシーズ タッチレス水栓 すぐピタ] パナソニック エコソリューションズ
■水栓金具 高い節水性能を持つタイプ、自動水栓なども
洗面用の水栓金具は、必要以上の水の消費を抑えたシングルレバー混合水栓が主流。お湯と水をしっかりと使い分けられるタイプのシングルレバーもみられます。水とお湯との境に「カチッ」というクリック感を設けるなど、無駄に給湯システムを作動させることを防ぐことができるので、水だけでなくエネルギーを節約することができるものです。
また、ハンドル操作ではなく、手を差し出すだけで水の出し止めができるタイプなどもみられます。使用する分しか出ないので水の無駄使いを防ぎ、幼い子供や高齢の方のいる家庭でも使いやすいでしょう。洗面化粧台には、商品ごとに水栓金具は設定されています。選ぶ際には、どのよう機能を持つ水栓がラインナップされているのか、事前に確認しておくことが大切でしょう。
■LED照明 省エネ性を確保しつつデザイン性もアップ
LEDも一般化し、洗面化粧台にもLEDを取り入れた商品も多くみられるようになりました。デザインはさまざまですが、鏡上部にライン状のタイプのLEDを用いたものなどは、広い面を明るく照らすことができると同時に、洗面化粧台のシンプルなデザインにすっきりとおさまるものです。
最近では、横方向だけでなく、縦方向にLED照明をおさめたタイプも。広い範囲を照らすとともに、あごの下や頬に影をつくりにくくし、化粧や髭の剃りなどがしやすく工夫されたタイプもみられます。その他、消し忘れ防止タイマーが搭載されているタイプであれば、より省エネ性能も高まるでしょう。
直線基調のシンプルなデザインにLED照明も合わせすっきりと。鏡のくもり止めコートは、電気を使わない、エコ仕様なので、点けたり消したりする手間も省け、また、ヒーターを使っていなでの待ち時間がない。 [エスクアLS LED照明・エコミラー] TOTO
脱衣室と兼ねたプランの場合、入浴後など、洗面化粧台のミラー部分がくもってしまうことを防ぐための工夫もみられます。くもり止めヒーターなどが搭載された商品は従来からありますが、最近では、電気を利用せず、特殊なコーティングなどによって、くもりを防ぐものも。ヒーターではないので、エネルギーも不要、オンオフをする手間もなく、くもりがとれるまで待つ必要もないのが特徴でしょう。
ショールームで確認を。具体的な使い勝手や機能の比較検討して
水まわり設備全般にいえることですが、新築やリフォームで取り入れる機器に関しては、できる限り環境に配慮したものを選ぶことは大切なポイント。洗面化粧台の具体的な省エネルギ―性能は、商品ごとに異なるので、検討する際には必ずショールームで実物を確認するとともに、データなどを比較検討するといいでしょう。また、汚れにくさやお手入れのしやすさは、実験コーナーなどを利用して。実際にお手入れする際の手順をチェックするなどして、使い勝手を確認することも大切です。【関連記事】
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