洗面室はさまざまな用途に用いられる空間
家族みんなが毎日、朝夕に使用する洗面室。洗顔や洗面、身だしなみや化粧などだけでなく、脱衣や洗濯室としても利用されることが多いスペースでしょう。さまざまな用途に用いられる空間ということは、多種多様なモノが集まってくる空間ということ。それらを使いやすく、すっきりと収納できるかどうかは、洗面室の使い勝手を左右するひとつのポイントです。洗面室の空間づくりの中で、造作の棚やクロゼットなどの収納スペースを確保する、といった工夫も必要ですが、最近では、洗面室に設置されることの多い洗面化粧台の収納キャビネット、アイテムやパーツなども充実してきています。プランや予算にあわせて組み合わせることが可能でしょう。
目的に合わせた収納ユニットの組み合わせて、空間を最大限に生かすことができる洗面化粧台。 [エスクアLS] TOTO
効率的に多様なモノの収納を確保できる洗面化粧台が豊富に揃う
一般的に、洗面脱衣室に収納しておきたいモノには、下記のようなものが挙げられるでしょう。■洗面や歯磨き タオル、石鹸、歯ブラシ、歯磨き粉、ハンドソープ、ティッシュペーパー
■身だしなみや化粧 ヘアブラシ、ドライヤー、整髪料、髭そり、化粧品
■脱衣(入浴) タオル、下着類、バスマット、シャンプー、リンス、ボディソープ
■洗濯や掃除 洗濯用洗剤、柔軟剤、漂白剤、ハンガー、洗濯バサミ、雑巾、スポンジ
■その他 お風呂用のおもちゃ、体重計
限られたスペースになりがちの洗面室では収納のための空間を確保するのは難しいもの。そのため、各メーカーの洗面化粧台には、効率的に数多くのものを収納でき、使い勝手を高めた商品が多くみられます。
配管に工夫を施し、たっぷりとした収納スペースを確保。[奥ひろし] TOTO
空間を有効利用、内引き出しもみられるフロアキャビネット
最近の洗面化粧台のフロア(ベース)キャビネット収納は、システムキッチンでも取り入れられている、引き出し式のスタイルが多くみられます。引き出し式は、開き戸式(扉タイプ)の場合よりも、開閉にスペースを取らないこと、収納物が一目でわかること、奥のモノまで取り出しやすいことなどがメリット。排水管を奥に設置したり、形状をシンプルにすることなどで、収納スペースを従来よりも広く確保しているタイプなども揃っています。開閉時に、引き出しや扉が、ゆっくり静かに閉まる機能を持つ商品もみられ、より使い勝手が高まってきていると言えるでしょう。また、収納しやすい仕切りパーツ、内引き出しのあるタイプもみられますし、ボトル類を取り出しやすいように縦型の引き出しが揃っている商品も。引き出し式と開き戸式と組み合わせることのできるタイプもあるので、収納するモノに合わせて選ぶことが可能です。
その他、フロアキャビネット下部に踏み台を兼ねた収納ボックスを設けたり、デットスペースである蹴込部分を利用して収納スペースとしたものも。蹴込部分に体重計を収納できるタイプもあります。
よく使うものも取り出しやすいインナー引出付のキャビネット。[ルミシス] LIXIL
細かいものの収納に適したスペースの提案も
洗面室で化粧をする方もみられることから、細かな化粧品をしまったり、化粧中に一時的に置いておくことが出来るスペースを備えたものも豊富に揃っています。洗面ボウル周辺やカウンターや鏡部分のすぐ下に、薄型の引出しやポケットのような小さな収納を設けることで、ヘアブラシやピンなどの小物類をすっきりとしまうことができるように工夫されたもの、仮置きスペースになるキャスター付キャビネットなどを揃えた商品もあります。
高さ調節の出来るトレイやカゴなど細かい配慮がされているタイプもあるので、事前に収納したい化粧品の量や種類などをリストアップして検討するようにしましょう。
鏡裏のスペースの使い勝手や掃除のしやすさがアップ
小物ポケットには、化粧小物もすっきりと納まる。収納内部と外側にコンセントを2個ずつ設置。シャーバーや電動歯ブラシを充電しながら収納可能。 [ウツクシーズ すっきり家電収納] パナソニックエコソリューションズ
また、電動歯ブラシやシェーバーなど、充電しながら収納できるようにコンセントの位置や収納スペースを確保したタイプも出ています。
リネン類や洗濯用品、ストック収納などにも便利な周辺キャビネット
フロアキャビネットだけでなく、上部の空間を活用することで、収納量を確保するプランもみられます。上部に設けるキャビネットには、通常の開き戸式のキャビネットだけでなく、出し入れしやすい昇降機能付きのタイプなども揃っているので、収納するモノや家族の身長などに合わせて設置してもいいでしょう。フロアキャビネットの横や背面の壁面を利用して、トールキャビネットなどを設けても。開き戸や引き出しタイプ、オープン棚など、使い勝手に合わせて組み合わせることが可能なキャビネットが多くみられます。
昇降機能のある上部キャビネットであれば、ストック品なども収納しやすい。[ミズリア] LIXIL
ユーティリティ機能を持たせたタイプも
洗濯機と並べて設置することも多い洗面化粧台には、洗濯をする際に必要な洗剤やハンガー、洗濯前の衣類などを収納するスペースを揃えた商品もあります。フロアキャビネットや背面の壁面などを利用したもの、デットスペースになりがちな洗濯機上のスペースを活用したタイプなども。ハンガーを掛けておいたり、陰干しに利用できるバーや脱衣カゴ、洗濯物の一時置きができるようなユーティリティ機能を高めた商品もみられるようになりました。ショールームでは実際に開閉するなどして確認を
出し入れがしやすいスライドタイプの収納ユニット。デザイン的にもすっきり。パノラマスライドタイプ ソフトクロージング機構付き。[ウツクシーズ] パナソニック エコソリューションズ
洗面化粧台の収納を検討する際には、収納したいモノを整理し、それらに必要なスペースや収納方法を充分に検討することが大切です。細かな収納提案や至れり尽くせりの工夫は、使い方に合っていれば便利なものですが、適していなければ宝の持ち腐れとなってしまう場合もあるもの。必ず、ショールームで使い勝手の確認を。実際に開閉してみるなど、日々の暮らしのイメージをしながら検討することがポイントです。洗面化粧台に限ったことではありませんが、家族構成やライフスタイルに配慮して、必要な機能を取り入れることが大切でしょう。
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