マンション物件選びのポイント/マンションの防音・騒音対策

マンションの遮音・防音の基礎知識:壁と窓(3ページ目)

マンションで快適に暮らすために遮音・防音性は欠かせません。今回は「壁と窓から出入りする音」に注目します。ここまで知っていればかなり通(ツウ)なチェックポイントをお教えしましょう。(2017年12月改訂版/初出:2006年02月)

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

窓から聞こえてくる音の種類

窓を通して聞こえる音は、主に交通騒音ピアノの音などで、それも壁と同じで空気伝搬音の一種となります。


 

サッシの遮音等級

サッシには遮音等級があり、T等級というもので表されています。

 

【サッシの性能一覧表】サッシの遮音等級を表すT等級。Tの後の数字が大きいほど遮音等級は高くなります。

【サッシの性能一覧表】サッシの遮音等級を表すT等級。Tの後の数字が大きいほど遮音等級は高くなります。


T-1~T-4までの等級があり、Tのあとの数字が大きい方が空気伝搬音遮断性能が大きいことを示しています。T-1等級だと25dB、T-2等級だと30dB、T-3等級だと35dB、T-4等級では40dBの遮音性能があります。T-4等級は二重窓のみ可能となります。

周辺の音の状況に合わせて遮音性の高いサッシが採用されていることが望ましく、もしそのような立地に建つのであれば、モデルルームやパンフレットなどで確認するようにしてください。


 

既存の窓に遮音性を持たせる方法

既存の窓の遮音性を高めたい場合、マンションでは既存サッシそのものは勝手にいじれないことになっています。そこで、現在あるサッシの内側にインナーサッシを取り付けて二重サッシにする方法をお勧めします。

内窓(インナーサッシ)を後付けした窓。遮音性だけでなく断熱性も向上する

内窓(インナーサッシ)を後付けした窓。遮音性だけでなく断熱性も向上する

この方法は遮音性が高まるだけでなく断熱性も高まり、満足感の得られるリフォームになるでしょう。
 


 

壁と窓の遮音性を高めるとともに

前回の床篇に引き続き、今回は壁と窓の遮音について述べてきました。音の問題は、その人の住まい方や感じ方にも左右され、だれもが被害者にも加害者にもなりうるデリケートな問題です。音が気になる方は、遮音性の高い住まいを選ぶとともに、ご近所の方と顔見知りになり、生活習慣などをお互いに理解しておくことも上手なトラブル回避のポイントとなるでしょう。


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