注文住宅/建築費用・見積りの読み方を知る

見積りのチェックポイント(2ページ目)

見積り書は内訳明細書で工事ごとに見積りを書く欄が分かれています。そんなわかりづらい見積り、住宅コストシリーズ第2回目の今回は工事項目ごとのチェックポイントを学んでいきましょう。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド


◎雑工事・・・雑工事ってなんですか?
雑工事とは名前の通り工事項目に入りづらい、その他の工事という意味です。例えば物干しのポールや断熱材、中には床暖房工事をこの項目に入れる施工業者もあります。とても便利な工事項目なので、この項目で何が拾われているかをチェックすることで多少なりとも見積りの仕方や工事の考え方を知ることができます。

◎給排水設備工事・・・いわゆる水まわり工事
給排水管の工事費は10年前とそれ程変わりません。この工事項目の費用を年々高くしているのは設備機器類(システムトイレ、ユニットバスなどの付帯設備機器類)です。施主によっては機器の割引率が気になったり、ネット販売の方が安いといって施主支給をする方もいます。しかし後々の責任やリスクのことはあまり考えてられていません。施工会社ですべて施工取り付けをしてもらった方が、長い期間を考えれば結局安くなるような気がします。

◎電気設備工事・・・コンセントの数は間にあっているか
電気設備工事も給排水工事と同じで、便利さや豊かさを実感できる工事項目です。最近はパソコン、人感センサー、防犯性能、リモコンなど、とにかく電気に頼る時代です。したがって生活スタイルの変化とともに不具合も生じやすいところでもあります。特に不具合を感じやすいのはスイッチの位置です。電気設備の考え方は、100点を取る電気計画ではなく、80点くらいを目安にし、残りの20点は生活スタイルの変化に対応できるように考えておくとよいのです。その分、コストも抑えることができます。あまり便利さばかりを追求しないことが大切です。

ガイド佐川のワンポイントアドバイス

かつて注文住宅は工事に入ってみなければ最終金額がいくらになるかわからないと言われていました。今はそんなことでは仕事になりません。見積りはひとつひとつ小さな金額ですが、それが集まりやがては大きな金額になります。住まいに適正な金額はありません。自分たちがどれくらいのグレード感をもった家をつくりたいのか。そのイメージと、現実的な問題の話を行ったり来たりしながら詰めていくことが大切です。そしてそういったやりとりができる相手を探すことも家づくりでは重要なのです。

来週はコストを下げるヒントをお教えします!

・・・これだけは読んでおきたい家づくり講座・・・
「満足する一戸建てをつくるには」第1回:土地を手に入れる!どこに頼む?
「満足する一戸建てをつくるには」第2回:あなたの土地に地耐力はある?
「満足する一戸建てをつくるには」第3回:構造・工法の特徴を知る!
「満足する一戸建てをつくるには」第4回:磯野家に学ぶ“現代の間取り術”
「満足する一戸建てをつくるには」第5回:設計図面ってどう見るの?
「満足する一戸建てをつくるには」第6回:建物の総費用どうなっているの?
「満足する一戸建てをつくるには」第7回:工事段階別“現場チェック法”
「満足する一戸建てをつくるには」第8回:施主も参加する家づくりの儀式
「満足する一戸建てをつくるには」第9回:追加・仕様変更はいつまでOK?
「満足する一戸建てをつくるには」第10回:耐震性のポイントは壁にあり
「満足する一戸建てをつくるには」第11回:外断熱・内断熱どっちがいい?
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