家は選ぶものではなく、つくるもの
本屋さんに行くと、賢い家の買い方、選び方などのタイトルがついた本が並んでいます。もちろん建売住宅であれば、それでいいと思います。しかし注文住宅では、家の選び方ではないのです。注文住宅であればやはり、「建て主―建築家―工務店」の三位一体でつくりあげるもの、その家族の考え方に合わせ周辺環境を読みながらつくっていくものなのです。今の住まいは、古美ていく美しさにならず、ただ陳腐化しくだけのような気がします。そんな街並みを見ると、いかに周辺環境を読まずに建てられてきたかがわかります。まるで12月24日以後のデコレーションケーキのようで、賞味期限は過ぎ、流行を追いかけるような住まいが多すぎるのです。
ホームドクターを見つける
思いどおりの満足する家が竣工し、その2~3か月後にベランダから雨漏れが起きました。さてその時あなたは手抜き工事と言いますか?それとも人間がつくるものだから、こういうこともあるよと笑って言えますか?できればこういうこともあるよと笑って答えられる人になってほしいと願いを込めて思います。こういう思いになるには、やはり共に現場に関わり、信頼関係を築いたから言えることだと思います。信頼関係を築けず、ただ単にビジネス的につつがなく終わった工事であると、手抜き工事だったのかもしれません。建築は工業製品ではないので、定期的な手入れと点検が必要なのです。建築にも、町医者的なかかりつけのホームドクターが必要なのです。ホームドクターを見つけ、文句を言いながら家を見てもらう。そんな関係をつくることも大切です。
建て主から施主へ
人間の心は、知・情・意の3分に分かれていますが、人生を織りあげていくのは「情(なさけ)」です。文中ではわざと建て主という言葉を使ってきましたが、本来は家づくりを通して、建て主から施主になってほしいと思います。つまり施す心をもって接すれば、必ず良い家づくりのスタートラインが切れることなのです。・・・これだけは読んでおきたい家づくり講座・・・
「満足する一戸建てをつくるには」第1回:土地を手に入れる!どこに頼む?
「満足する一戸建てをつくるには」第2回:あなたの土地に地耐力はある?
「満足する一戸建てをつくるには」第3回:構造・工法の特徴を知る!
「満足する一戸建てをつくるには」第4回:磯野家に学ぶ“現代の間取り術”
「満足する一戸建てをつくるには」第5回:設計図面ってどう見るの?
「満足する一戸建てをつくるには」第6回:建物の総費用どうなっているの?
「満足する一戸建てをつくるには」第7回:工事段階別“現場チェック法”
「満足する一戸建てをつくるには」第8回:施主も参加する家づくりの儀式
「満足する一戸建てをつくるには」第9回:追加・仕様変更はいつまでOK?
「満足する一戸建てをつくるには」第10回:耐震性のポイントは壁にあり
「満足する一戸建てをつくるには」第11回:外断熱・内断熱どっちがいい?