タワー暮らしの思わぬ誤算
眺めの良い暮らしにあこがれ、タワーマンションを購入する人が多い。モデルルームでは、壁一面にパノラマ写真が張りめぐらされ、こんな眺望が手に入るんだとイメージをうえつけられる。しかし、実際の暮らしはどうだろう。通りがかったタワーマンションを見上げると、しっかりとカーテンで閉ざされた光景を見かけはしないか。
「ダイナミックなパノラマビューを」と開けられた大きな窓。それが住んでみてはじめて、外から丸見えになることに気付いたのか。プライバシーを守るための厚手の布は、すぐそこにある絶景をシャットアウトしてしまったようだ。
東京のタワーライフは、もはや珍しいものではなくなった |
インテリアさえも台無しに……
高性能なガラスは、本来インテリアの幅を広げるはず |
また、共通の傾向といえば、複層ガラスなども急速に普及した設備仕様のひとつ。結露を防ぎ、断熱性にも優れる点は環境ブームにも合致。一躍高級物件の定番となった。
たしかに複層ガラスの性能は良い。冬場、厚手のカーテンなしでも、十分快適に過ごすことができるだろう。だが、「年中どの部屋でも万能なのか」は微妙だ。たとえば夏の西日に、特大の窓が何もなしではさすがに厳しいと思われる。
大きな窓に、高性能なガラス。どちらも初体験なだけに、実際の効用や限界がわからないまま暮らしている人が、じつは大勢いるような気がする。
もともと開口部は住空間に占める面積が大きく、そこにどんな飾り方をするかが家全体のセンスを左右する。せっかくの家具たちも、見た目に重いカーテンに負けてしまっては台ナシである。
そこで、昨今の高性能でハイセンスなマンションに見合う優れたブランドを紹介しよう。次のページへ。