資金計画の再チェック
購入する候補物件を絞り込んだら、前記の現地再チェックと並行して資金計画の再チェックも進めるようにします。資金計画は入念に再チェック!
このとき、変動金利型のローンであれば金利が上昇したときにどうなるのか、支払いがどう変わるのか、そのリスクについて十分な説明を受けたうえで、ある程度は金利が上昇した後の支払い金額を基にして毎月の負担を考えるようにしてください。
購入時の登記費用(登録免許税・司法書士報酬など)、住宅ローンの借り入れに伴う諸費用、各種保険料、媒介手数料、印紙税、新築マンションの場合の修繕積立基金、新築一戸建て住宅の場合の水道加入金、さらに購入後しばらくしてから請求される不動産取得税など、住宅を購入する際に必要となる経費は多岐にわたります。
新築物件ではあらかじめこれらの経費を一覧にまとめていることもありますが、中古物件のときには、契約が決まってから媒介業者がこれらの費用を計算することも多いでしょう。できれば、概算だけでも事前に提示してもらうように依頼してください。
また、マンションの場合の管理費・修繕積立金、駐車場使用料など毎月支払う経費については、現在の正確な金額のほか、値上げ予定がないかどうかについても確認してもらいましょう。
土地を購入して自分で家を建てるときは、同じ大きさの土地でも地形や地盤によって建築コストが大きく変わることもあります。もし依頼する住宅メーカーや建築士の先生が決まっているのであれば、事前に綿密な打ち合わせをすることも必要です。
つい忘れがちなのが、固定資産税と都市計画税の負担額の確認です。とくに新築物件では数年間の軽減措置などがあるため、このチェックが疎かになりがちです。
ある都税事務所の職員の人と話をしたときに「家を買う人は固定資産税などに対する意識が低いのよねぇ」と苦笑していましたが、軽減期間終了後の思わぬ負担増に慌てることがないよう、事前に「通常の税額」がどれくらいなのかを把握しておくことが欠かせません。
購入の申し込みをする
物件に問題がなく資金計画にも問題がなければ、その物件を購入する旨の意思表示をします。購入の申し込み方法は、新築の場合と中古の場合とで異なる
この申し込み証拠金は、売買契約締結時の手付金とは異なり、あくまでも購入意思を確認する目的のものですから、これで売買契約が成立するわけではありません。
不動産業者が発行する申し込み証拠金の領収書、受領書などに「売買契約が成立しなかった場合には申し込み証拠金を速やかに返金します」という旨の記載があるかどうか、必ず確認しましょう。
なお、それに加えて「売買契約が成立した際には申し込み証拠金を手付金に充当します」という旨の記載がされていることもあります。また、申し込み証拠金の支払いと同時に、収入証明書などの提出を求められる場合もあるでしょう。
中古物件の場合には、売主宛の買付証明書(書面の名称は「購入申込書」などとする場合もあります)を発行しますが、たいていの場合は媒介業者が事前に必要事項を記載した書面を用意しますので、買主(買受希望者)はこれに署名・押印をするだけです。
価格交渉をする場合の「指し値」や、支払い条件、引き渡し条件、その他購入にあたっての提示条件などもこの書面に記載します。なお、中古物件では新築物件における申し込み証拠金のような金銭のやり取りは、通常ならありません。
また、新築物件の場合でも中小業者による建売住宅のときなどは、中古物件の場合と同じように買付証明書による購入意思表示をするケースもあります。
買付証明書に記載した条件に対して、売主がそのままの内容で応じれば今度は買主に宛てて売渡承諾書を発行し、いよいよ売買契約締結に向けた段取りが始まることになります。
ただし、買主の条件に対して、売主が別の条件を提示した場合には、新たな契約の申し込みとみなされ、逆に買主がこれに応じるかどうかの交渉となるわけです。
なお、買付証明書も売渡承諾書も何ら法律に定められたものではありません。買付証明書を発行せずにそのまま契約に進むこともありますし、買付証明書に対して売渡承諾書が発行されないこともあるでしょう。
このあたりのやり取りは、媒介業者の裁量に委ねざるを得ない部分も多いのが実情です。
以前、ユーザーのかたから「ひとりで見に行った物件が気に入ってしまい、その場で契約書にサインして手付金も支払ったが、帰宅後に家族から猛反対された。どうすればいいでしょう?」というご質問をいただいたこともありますが、くれぐれも先走った行為は避けるようにしなければなりません。
【住宅購入の流れ・手順】
1 購入の意思決定
2 資金計画を立てる
3 住宅選びの前準備
4 情報収集・物件見学
5 購入物件の決定
6 売買契約・引き渡し
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