新耐震基準が適用されたかどうかに関わりなく、それより古いマンションでもかなり堅牢に造られている場合があります。逆に新耐震基準が適用されながら、工事不良や施工ミスなどで危険性が高くなっている建物もあるでしょう。
単純に建築年月や新耐震基準の適用の有無だけで判断するのではなく、実際の建物の状態などをしっかりと確認することが大切です。
さらに、一戸建て住宅などではその当時に建築確認を受けないまま建築されたものや、建築確認は受けたものの当初の設計どおりには建てられていないものも少なからず存在します。
このような違反建築物などであれば、たとえ新耐震基準が施行された後の建物であっても安心はできません。売買前のインスペクションや一級建築士による建物診断のサービスなどもありますから、気になる点があれば活用を検討してみてはいかがでしょうか。
さらに、税制上の特例などでは、新耐震基準を満たしているかどうかが重視されることになりましたが、これは建築基準法による “最低限の” 基準であることも考えなければなりません。
建築物の地震に対する性能は年々改良されている段階であり、新耐震基準よりも進んだ免震構造や制震構造などの建物も増えています。また、超高層マンションなどは通常の新耐震基準よりも厳しい基準に沿って建てられています。
イザというときのことを考えるなら、新耐震基準以外にどのような対策が講じられているのか、マンションを選ぶ際にはしっかりと確認したいものです。一戸建て住宅であれば、敷地の地盤や基礎などにも十分な注意を向けてください。
なお、1970年代半ば以降に建築確認申請が出された建築物については、役所の建築を担当する窓口などで、たいていはその日付を調べてもらうことができます。
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