アルゼンチンの世界遺産
アルゼンチンには、世界遺産が8つ登録されています(2010年2月現在)。雄大な自然遺産から歴史を感じさせる文化遺産まで、様々な種類の見どころが揃っています。
世界遺産1 イグアス国立公園
イグアスの滝はアルゼンチンで最も有名な世界遺産 写真提供:アルゼンチン観光局
アルゼンチンの世界遺産で、最もメジャーなのはやはり
イグアスの滝でしょう。アルゼンチンとブラジルの国境を流れるイグアス川に、この世界最大の滝が存在します。とくに「悪魔ののど笛」と呼ばれる大瀑布は、季節によっては水しぶきでびしょ濡れになるほどの大迫力。また、ジャガーやアリクイ、色とりどりの蝶など、絶滅危惧種を含む動物の宝庫でもあります。イグアスの滝の入口プエルト・イグアスへは、ブエノスアイレスから飛行機で約1時間半、長距離バスで20時間前後。
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イグアスの滝/アルゼンチン・ブラジル
世界遺産2 ロス・グラシアレス
ペリト・モレノ氷河はパタゴニア観光最大のハイライト 写真提供:アルゼンチン観光局
イグアスの滝と並ぶ有名な世界遺産として、パタゴニア地方に位置するロス・グラシアレスの氷河群が挙げられます。何十もの氷河がありますが、なかでもペリト・モレノ氷河は近くまで接近することが出来ることで人気。どこまでも続く広大な風景と、透明なブルーに輝く氷河の美しさにはため息が出るはず。轟音とともに湖へ崩落する氷塊の様子は、パタゴニア観光のクライマックスといえるでしょう。ロス・グラシアレスへは、拠点となる町エル・カラファテまで飛行機で約3時間半。
世界遺産3 バルデス半島
かわいい動物たちに出会える大自然もアルゼンチンの魅力 写真提供:アルゼンチン観光局
氷河以外のパタゴニアでの見どころは、珍しい動物とその生態系。大西洋に突き出した半島は、タクシーなどで一周することが可能です。海岸では、ペンギンやゾウアザラシ、オタリア(アシカの仲間)など珍しい動物たちに遭遇できるでしょう。また、ミナミセミクジラの繁殖地にもなっているため、ホエールウォッチングも人気のアクティビティです。バルデス半島へは、拠点となる町トレレウまで飛行機で約2時間。
世界遺産4 リオ・ピントゥラスのクエバ・デ・ラス・マノス
手形の壁画は不思議な印象を残してくれる 写真提供:アルゼンチン観光局
パタゴニアは大自然だけではありません。荒涼としたリオ・ピントゥラス渓谷には、洞窟に無数の手のひらの壁画が残されています。赤、白、黒などの塗料で彩られた手形の他に、人物や動物、そして幾何学模様などが数多く現存。これらは、パタゴニア地方の先住民族であるテウエルチェ族の祖先によって、9000年も前から描かれてきたといわれています。リオ・ピントゥラスへのアクセスは不便なので、ペリト・モレノなどでツアーを組んでもらうのがいいでしょう。
世界遺産5 コルドバのイエズス会伝道所とエスタンシア群
タイムスリップしたような町並みが観光客を迎えてくれる 写真提供:アルゼンチン観光局
ブエノスアイレスに次ぐ第二の都市であるコルドバは、歴史遺産で有名な町。南米最古の大学であるコルドバ大学や、国内最古といわれるラ・コンパニア・ヘスス教会など、石畳の町並みを散策していると中世の時代に迷い込んだような気分にさせてくれます。
また、アルタ・グラシアをはじめ、いくつかのエスタンシア(農園)には、教会などイエズス会の伝道の歴史が残っています。コルドバへは、ブエノスアイレスから飛行機で1時間15分、長距離バスで10時間前後。
世界遺産6 グアラニーのイエズス会伝道所群
サン・イグナシオ・ミニの遺跡は、状態も良く歴史的にもよくわかる 写真提供:アルゼンチン観光局
17世紀の初頭、先住民のグアラニー族に対して伝道していたイエズス会の本拠地跡。ブラジルとの国境をまたいで、4カ所の遺跡(ブラジル側の「サン・ミゲル・ダス・ミソンイスの遺跡群」を含めると5カ所)が登録されています。
グアラニー・バロック様式の見事な教会跡が残るサン・イグナシオ・ミニが、最大の見どころ。廃墟となっている場所も多いですが、アルゼンチンの歴史に触れる貴重な遺跡群です。サン・イグナシオ・ミニへは、近隣の町ポサーダスからローカルバスや旅行会社のツアーでアクセス。ポサーダスまではブエノスアイレスから飛行機で約2時間、長距離バスで約14時間。
世界遺産7 ケブラーダ・デ・ウマウアカ
七色の丘を見たかったらプルママルカへ行ってみよう 写真提供:アルゼンチン観光局
ボリビアに隣接した北部のフフイ州には、河川の浸食によってできたウマウアカ(ウマワーカ)渓谷があります。とくにプルママルカで見ることのできる何層にも色鮮やかな地層が積み重なった地形は、「七色の丘」と呼ばれるほどの見事な景観。
また、ティルカラやウマウアカなどの村には、アンデスの人々による昔からの集落や生活様式が残っており、フォルクローレ音楽も根強く親しまれています。プルママルカやティルカラといった村へは、北部の都市フフイからローカルバスでアクセスするか、ツアーに参加するのが一般的です。フフイまでは、ブエノスアイレスから飛行機で約2時間。
世界遺産8 イシワラスト/タランパージャ自然公園群
「月の谷」の奇岩群は、他の惑星に降り立った気分にさせられる 写真提供:アルゼンチン観光局
チリとの国境近くにある北西部の乾燥地帯は、化石が数多く発見されることで有名です。爬虫類が恐竜や哺乳類へと進化していった過程を知る……そんなアカデミックな旅をしてみるのもいいかもしれません。「月の谷」と呼ばれる奇岩がそびえ立つ荒涼とした風景も印象的。イシワラスト(イスキグアラスト)州立公園とタランパージャ(タランパヤ)国立公園が、ひとつの世界遺産として登録されています。イシワラストへは、サン・アグスティンからツアーに参加するのが一般的です。サン・アグスティンへは、ブエノスアイレスから飛行機(約2時間)でサン・フアンまで行き、そこからバスで約4時間半。