パーソナル需要にターゲット。
ブルーレイ搭載も戦略の一環
このR1シリーズ、従来の東芝らしさ(独自性といっていい)がやや薄く感じられます。東芝はかつてのテレビ御三家の一角で、ソニー同様にブラウン管の牙城を築いていたため、当初薄型テレビに出遅れました。それが東芝の液晶テレビにUSBハードディスク録画を初め他のメーカーにない機能を生み出し、逆に超薄型などのトレンドに付和雷同しない独自のスタンスが、回路技術の優秀さとあいまって今日のレグザのブランディングを生み出したわけです。
今回の東芝のブルーレイディスク再生機器への参入は、好調のレグザとブルーレイ録画機器をジョイントすることで、パナソニックやシャープ、ソニーへお客さんが逃げていくことを防ぐ狙いがあるのではないでしょうか。
ちなみに、薄型テレビ全社製品の中で、東芝はユーザーのネットワーク接続率がずば抜けて高い調査結果があります。これは、見方を変えれば、東芝レグザが先進的ユーザー層(メカに関心の高い男性)に強いことを意味しています。昨年「頭脳を持つテレビ。セルレグザ55X1が登場」で紹介したセルレグザ55X1はそのシンボルのような製品であるわけです。
しかし、テレビの低価格化に歯止めが掛からず、競争が激化していることを考えると、東芝とて勝ち残っていくために、これまでレグザを支持してきた先進的男性ユーザーばかりでなく、女性やごく一般的ファミリーを含めてより広範なユーザー層に広げていかねばなりません。
東芝の調査では、日本国内でリビングのメインのテレビはすでに薄型への代替が70~80%まで進行したが、パーソナルは20%程度であるということです。
今回のR1はこのパーソナルをターゲットにした製品であると考えると、小画面からのスタートという戦略が理解できると思われます。それでは、R1のパーソナルテレビとしての使い勝手はどうなの?ということですが、近いうちに実機をお預かりして検証の機会を持ちたいと思います。
REGZA 32R1BDP (32)
【関連サイト】
東芝 レグザ R1BDP