京都グルメ/京都の和食

祇園 にしかわ(夜のコース)(4ページ目)

今年2月に開店したばかりの新星割烹「祇園 にしかわ」。若きアラサー料理長、西川正芳さんが繰り出す多彩な料理世界は、四季の彩りを存分に感じさせてくれます。

執筆者:麻生 玲央

美麗な八寸


・八寸
八寸。
季節感のある八寸。
そして、西川料理長の料理世界の極致ともいえるのが、この「八寸」。大きな「ほう葉」の上に豪華に盛り付けられた八寸は、「寒もろこ」、「鯖鮨」、「まながつおの幽庵焼き」、「海老芋の揚げ物」、「福豆」、「車海老にとんぶり」、と手の込んだ多種多様な料理が美麗に盛り付けられています。

特に印象深かったのは、やっぱり「寒もろこ」! たっぷりの子持ちで、食べ応えも良好。これは別皿の生姜醤油でいただきます。

・1人鍋
土瓶蒸しのよう。 出汁も美味。
とんがり蓋が面白い土瓶蒸し風の1人鍋。 お猪口に注いで出汁を堪能します。
今回のコースで、もっとも心に残ったのが土瓶蒸しのような器で供された「1人鍋」! これは夜コースの定番料理とのこと。

「鮑」、「蕪」、「蓮根饅頭」、「ノドグロ」、「水菜」、それに振り柚子で仕上げられた鍋は、様々な食材が生み出す複雑な旨味がありながら、とても澄んだ味わいで、喩えて言うなれば、各食材の風味が拡がる「旨味の海」。鍋が土瓶蒸し風になっているのは、この出汁を最後まで飲み干せるためのもので、もちろん「お猪口」付き。実に気の利いた演出ですね。

1人鍋。
「祇園にしかわ」の定番となる1人鍋。
冬の寒さが育んだ「蕪」の青い甘味、「鮑」の食感、「ノドグロ」の脂の乗った柔らか身質、「水菜」のシャキシャキ感など、盛り沢山の「具」を「出汁」と共に食べると、底冷えする京都で冷え込んだ身体には、五臓六腑に染み渡る旨さとなるのです。

次ページでは、土釜御飯と水物を御紹介します
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