京都グルメ/京都の和食

祇園 にしかわ(夜のコース)(2ページ目)

今年2月に開店したばかりの新星割烹「祇園 にしかわ」。若きアラサー料理長、西川正芳さんが繰り出す多彩な料理世界は、四季の彩りを存分に感じさせてくれます。

執筆者:麻生 玲央

芸術的な料理達


・赤貝と山菜のジュレ掛け 飛び子乗せ
赤貝。
和の世界ならではの美しい盛り付け。
まず、先附は大ぶりの「赤貝」に出汁のジュレと「飛び子」を乗せた一皿が登場。口に運ぶと、ジュレから漂う和の香りと共に、旨味が一気に溶け出し、噛みしめる毎に拡がる赤貝の程良い食感。さらに「飛び子」のツブツブ感が余韻として残り、旨味と食感の両方が複雑に絡み合う逸品に。

他にも「蕨」や「うるい」、「長芋」といった各サブ食材も、味わいに巧みなアクセントを付与しており、一皿目から西川料理長の卓越したセンスと実力を魅せつけられましたね。

・「あぶらめ」と「ばちこ」の葛仕立て
ばちこ。
「ばちこ」が酒を誘います。
そして今回、もっとも酒がすすんだ料理が、この「椀物」。「あぶらめ」の葛仕立てに、「ばちこ」を加えたもので、雅な見た目の美しさも秀逸の一品。

「ばちこ」とはナマコの卵巣を干したもので、酒のアテとしては究極の珍味! 一枚を作るのに何十匹ものナマコを必要とするので、非常に高価な食材なのです。

しかも、この「ばちこ」は軽く炙られていて、風味も抜群。もうこれだけでも垂涎物ですが、さらに葛仕立ての出汁に馴染むことで、酒を呑まずにはいられない味わいに!

他にも「あぶらめ」のぷっくりとした身質が物語る脂の旨味と、「柚子」の香り、「あられ」の食感が加味し、上品かつ奥行きのある味わいを生み出しているのです。まさに「大人のための椀物」というか、酒好きにとっては「究極の椀物」といっても過言ではないでしょう。

次ページでは、高級厳選食材を使った極上料理達を御紹介します
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