京都グルメ/京都の和食

じき 宮ざわ(3ページ目)

京都は錦市場の近くにある割烹「じき 宮ざわ」。全てにおいて「一流」という言葉が相応しい、京の和食シーンにおける超新星店。今、京都でもっとも行くべき一軒といえるでしょう。

執筆者:麻生 玲央

心から、「ご馳走様」。


・土鍋御飯
米。
濡れたように光る御飯の一粒一粒。
〆は土鍋御飯の登場。この日に使用された米は、奈良の「ヒノヒカリ」で、農家のおじいさんがお一人で愛情込めて作られた米だそう。もちろん米の良さをを最大限に活かすために白御飯です。一杯目が目の前に供された瞬間、視界にはいるのは、その眩しいほどの白き輝き! 生まれたての無垢な生命力を余すところなく感じられる炊き上がりは、最初の一膳目は、炊き上がり直後で水分は強め。その後は時間の経過ごとに(一膳毎に)変化して落ち着いていき、土鍋の御飯を完食す頃には、程良い食感に(個人的には三膳目ぐらいが一番好み)。

御飯そのものは、とても澄んだキレイな味わいで、咀嚼する度に自然な旨味が深く静かにそっと届くのです。宮澤さんの素材を活かす卓越したセンスと実力に感服したと共に、米という存在にも無限の可能性を感じる土鍋御飯でした。米は「天・地・人」が生み出すモノであり、日本の宝だということを改めて実感しますね。心から、「ご馳走様」。

・香の物
水茄子。 漬物。
甘味があり瑞々しい水茄子の浅漬け 他にも、あちゃら漬けなど5種盛
そして特筆したいのが、ここで白御飯と一緒に供される香の物! この日は、「水茄子」「梅干し」「あちゃら漬け」「胡瓜」「大根」と五種もあり、特に「水茄子」は、瑞々しさの中に甘味が際立つ、程良い浅漬け具合。実はお漬物で感激できるお気に入り割烹は2軒あるのですが、この店のお漬物はその2軒を超えたほど私好みの塩梅。水茄子以外にも、あちゃら漬けも絶妙な甘味加減で、御飯が進む進む! 最後は大好きな御茶漬けにして、土鍋御飯をまるっと完食。

それにしても、このお店で出される漬物(香の物)は、漬物というよりも、漬物という名の和食版ガルグイユ(野菜の盛り合わせ)ですね。それぞれの素材を別々の漬け込みを施し、素材の真味を引き立てつつ、最高の状態のものを客に供す。ちょっと大袈裟な言い方になりますが、日本に生まれてきて良かった! としみじみと実感できる一皿。

白御飯+お漬物という、古来から続く永遠のマリアージュ。日本の味。究極のご馳走なのです。

・水菓子
最中。
最中と緑茶。
〆は一口最中。緑茶と共に供されます。これは作り置きではなく、コースの最後で客に出す直前に、餡を詰められています。こういった一期一会ともいえる「おもてなし」の心は、ホントに嬉しい限り。「料理は人」であるとともに、料理における最大のスパイスは作り手の「真心」でもあることを、改めて教えてもらえましたね。

「ほんまもん」の新星店

研ぎ澄まされた感性が光る逸品達に、宮澤さんの柔らかく、それでいて真摯な接客姿勢。さらに、昼には木漏れ日が美しい店内の優しい雰囲気……etc。全てにおいて「一流」という言葉が相応しい、京の和食シーンにおける超新星店。今、京都でもっとも輝いている一軒といえるでしょう。

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<DATA>
・店名: じき 宮ざわ
・所在地:京都市中京区堺町四条上ル東側八百屋町533-1
・アクセス:京都市営地下鉄「烏丸駅」徒歩約5分
・地図:Yahoo!地図
・TEL:075-213-1326
・営業時間:12:00~13:30(LO)、17:30~20:00(LO)
・定休日:木曜日
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