伝統の遺伝子を感じさせる名店

山玄茶。
山玄茶の外観。路地奥にひっそりと佇んでいます。
祇園を歩く楽しみのひとつは何かといえば、細く入り組んだ迷路のような路地をあてどもなく探索することではないでしょうか。

「ああ、ここにこんな店が潜んでいたのか」と手帳に書き留めることもしばしば。今回訪れた「日本料理 山玄茶」も、そんな京都らしい奥まった細い路地にひっそりと入り口を構えられています。

そしてその入り口をくぐった後も、本玄関までは水打ちされたさらに細い屋根付きの路地が続き、イントロからして祇園はこうでなくちゃと思わせてくれます。

ここは滋賀県八日市にある茶懐石では誉れ高き料亭「招福楼」で、20年間腕を揮ってこられた増田伸彦氏が昨年、地元滋賀県から移ってこられて取り仕切っておられる一軒。今や京都でもトップクラスの和食店として、人気を博されておられます。

内装。 内装2。
手入れされた坪庭。 2階はテーブル仕様の個室。
本玄関を入るとすぐに広々としたカウンター席が目に入りますが、2階には坪庭を見下ろせる4畳半の座敷室もあります。この個室、窓と障子を開け放つと、坪庭と部屋が一体となり、目と鼻の先の八坂の喧騒とは別世界の春の光に包まれます。

カウンター越しに板長と会話を交わしながら、包丁捌きに見とれるのもよし、京の空気を貸切で切り取ったような小座敷で、祇園をふたり占めして贅沢な時間に浸るのもよし、この店なら気分に応じて自在に楽しめます。
次ページでは、昼のコース内容を御紹介します