隠れ家的割烹
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「凛」とした雰囲気がある外観です。 |
京都の割烹の密集地域といえば祇園。祇園では少し歩くだけで、名割烹の遺伝子を受け継いだ弟子たちが独立した店をよく目にしますが、この密集地域をあえて避け、洛中の町家にしっかりと名割烹の遺伝子を根付かせている、隠れ家的割烹があります。その名は「
割烹 りん洸」。ご主人は萩原友治氏。福井県出身で「たん熊北店」で先代栗栖正一さんの元で修行され、海外でも腕を揮われたあと、京都全日空ホテルの料理長を経て、2年前に独立。「酒のあてになる旨いもんを食べたい」という常連の旦那さん方のために、まっこと京都らしい京都のど真ん中の露地で、この店を始められたという訳です。
丸鍋は必食
![内装。]() |
店内はカウンターと個室が一室。 |
また、料理は、おまかせコースのみ。昼が4,000円~、夜8,000円~となっており、後述でオススメする定番の「丸鍋」は、単品の場合はコース料金+3,500円で、夜の場合なら一万円コースに入っています(念のため予約の際にご確認を)。
お正月のおまかせコース
・「御節料理」と「雑煮」![御節。]() | ![雑煮。]() |
御節料理 | 雑煮 |
この日は新年早々にお伺いしたこともあり、おまかせコースは御正月らしい献立になっています。一品目に供されたのは、重に入った御節料理の数々。家で御節を食べなくとも、この店に新年訪問すれば、作りたての素晴らしい御節料理が食べられるのですから、これはありがたいことです。
雑煮は、海老芋、鯛、ホウレン草、人参入り。味噌の濃さも程良く、風味高い仕上がりです。御節の具は蒲鉾、数の子、栗、黒豆、イクラ等、どれも手間暇のかかったハイレベルな料理ばかり。これだけでも日本酒を誘いますが、さらに別添えで「このわた」も! 酒呑みには堪らないスタートです。
・「お造り」と「河豚」![お造り。]() | ![河豚。]() |
お造り | 河豚 |
お造りは「平目」「カンパチ」「赤貝」「雲丹」。どれもしっかりとした一仕事(手当て)がされており、旨味加減が秀逸の仕上がり。和食店でも、この店のように一流クラスになると、刺身も立派な料理なのだと、改めて実感させられます。
続いて供された「てっさ」仕立ての河豚も、旬の旨味を存分に引き出した抜群のお味。もちろん、酒のアテとして最高なのは言うまでもなしです。