セクシュアルマイノリティ・同性愛/映画・ブックレビュー

伏見さんの小説単行本『団地の女学生』(4ページ目)

文藝賞作品『魔女の息子』に続く、伏見憲明さんの受賞後第一作(7年ぶり)となる単行本『団地の女学生』が集英社から発売されました。『団地の女学生』『爪を噛む女』の2作品が収められています。

後藤 純一

執筆者:後藤 純一

同性愛ガイド

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曲げられない男


TVドラマなんてほとんど見ないダンナがめずらしくハマっていたのが『 曲げられない女』でした(『まっすぐな男』ではなく)。曲がったことが大嫌いで、社会の不正と闘うために弁護士になろうとする荻原早紀(菅野美穂)が主人公で、曲がったことに耐えられなくなると金切り声で叫んだり、ちょっと変わり者なのです。

たぶんダンナはそんな彼女のエキセントリックさを面白がっていたと思うのですが、そんな自分があの主人公と同類の「曲げられない男」(「まっすぐな男」)であることにどこまで気づいていたのやら…。

ダンナは不正を働くことにひどく拒否反応を示します。赤信号を渡らず、優先席には絶対に座らず、おつりを1円多くもらったとしてもきっちり返すようなタイプ。僕が微妙に賞味期限切れの食材を使おうとしたら怒るし、「何もそこまで…」と思っちゃうほどの絵に描いたようなカッチリ人間で、実は警官とかに向いてるかも?と思ったりします。

めったに仕事を休まず、たとえ体調が悪くても人との約束はきっちり守り、お花見の場所取りとかも「俺がやるよ」とガシガシ動き…「男に二言はない」とばかりに「やると決めたらやる」のです。友達に「いつでも真剣勝負」と茶化されるくらいです。

わりと興味のあるなしがはっきりしている人なのですが(たとえば、小説はいっさい読みません)、テレビでハンディキャップを持った人たちの特集などがあると食い入るように見てるし(共感を示しているんだと思います)、僕が関わっていたパレードやHIV予防の活動のこともすぐに意義を理解してくれて、後押ししてくれました。

僕はダンナのそういうところを本当に素晴らしいと感じていて、だからこそ「この人となら、きっとずっといっしょにやっていける」と思えたのでした。

でも、僕が新しい衣装を買おうとすると「これ以上荷物が増えたら物置がパンクするから」と許してくれず…そこだけはなんとか融通がきかないものかと悩んでいるところです。
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