グルメ・各国料理(海外)/海外グルメ基本情報

世界の食文化・マナー

海外に行くと、その国の意外な文化や風習に驚かされることも多いはず。もちろん食事マナーも多種多様です。知っておきたい基本マナーからユニークな食文化まで。ぜひ食べる前に一読を!

古屋 江美子

執筆者:古屋 江美子

旅行ガイド

知られざる世界の食文化・基本の食事マナー

最近は日本でも世界各国の料理を味わえるようになり、洋食や中華などの基本マナーはおさえているという人が増えました。それでもやはり海外に行くと、その国の意外な文化や風習に驚かされることが多々あります。所変わればなんとやら、ですね。もちろん、マナーに縛られすぎて食事を楽しめなくなってしまっては本末転倒ですが、同席者や周囲の人を不快にさせない最低限のマナーは心得ておきたいもの。そこで今回は知っておくべき基本マナーからユニークな食文化まで、食べる前に一読してほしい情報をまとめました。旅慣れている人も意外に見落としていることがあるかもしれませんよ。

スープは“食べる”が正解!? 音に関するマナー

海外の日本食レストランのなかには、味噌汁をスープとして出す店も。この場合、ちりれんげで“食べる”ことに……

海外の日本食レストランのなかには、味噌汁をスープとして出す店も。この場合、ちりれんげで“食べる”ことに……

食事中にクチャクチャと音を立てるのは日本においてもマナー違反ですよね。でも蕎麦やラーメンなどの麺類は例外。とくに蕎麦は「ズルズルすすってこそ美味しい!」と思う人もいるかもしれません。

蕎麦に関しては海外でも日本食レストランくらいでしか食べる機会はないので例外としてもよいかもしれませんが、そのほかの麺類は要注意。ラーメンの本場中国(といっても日本式とはだいぶ違いますが)やフォー(米麺)が有名なベトナムでも、麺は音を立てずに箸とちりれんげで食べるのが正式です。また、スープもつい音を立ててしまいがちな一品ですが、基本的に海外ではスープは“飲む”ものではなく“食べる”ものという位置づけ。もちろん、コーヒーや紅茶を“飲む”ときも音を立てない気遣いが必要です。

日本においても人前でゲップをするのは好ましいことではありませんが、海外ではオナラよりも下品とみなされるほど不作法なこと。食事中はとくに注意すべきです。ただ、中国やイスラム圏では食事に満足したことを表すサインになるのですが……。また、日本人がやりがちな「鼻をすする」という行為も海外ではあまりいい顔をされません。逆に「鼻をかむ」ことには抵抗がない人が多く、イギリスなどではハンカチで鼻をかむ人もよく見かけます。ほかにも食後に爪楊枝でシーシーと音をたてるのも上品とは言い難い行為。ベトナムのように多くの人が爪楊枝を使う国もありますが、基本的に目立たないように使うのが無難でしょう。

 

皿を持ち上げるのはご法度! 食器に関するマナー

韓国ではご飯は金属製の食器で供され、スッカラという匙を使って食べる

韓国ではご飯は金属製の食器で供され、スッカラという匙を使って食べる

日本では食器を手にとって食べるのが基本。そのため和食器は持ちやすいサイズに作られています(※刺身や天ぷらをのせる平皿は例外)。ところがこうしたマナーは世界ではごく少数派。基本的にお皿を持ちあげて食べること自体がマナー違反な国が多く、例外は中華料理のご飯茶碗くらいのもの。中華料理のスープは日本のように椀で供されますが、直接椀に口をつけるのはNG。つい習慣で持ちあげてしまう人も多いので注意しましょう。

 

インドでは左手は不浄とされている。食事はもちろん握手の時も注意したい

インドでは左手は不浄とされている。食事はもちろん握手の時も注意したい

中国や韓国には大皿料理や鍋料理などみんなで食べる料理が多くありますが、日本のように取り箸を使う習慣がないので直箸でOKです。一方、インド人は食器を共有することを好まないため、友人とジュースを回し飲むようなときでも容器に口をつけることなく器用に飲みます。

また、よく知られていることですが、インドやイスラム圏では手を使って食べるのもポピュラー。レストランではスプーンやフォークが出てくることも多いので、必ずしも真似る必要はありませんが、試してみるのも一興。手で食べることの醍醐味は、寿司を手で食べる文化を持つ日本人には理解しやすいかもしれません。ナイフやフォーク関連では、ステーキの食べ方に注意。たまに最初に全部切り分けてから食べる人がいますが、冷めてしまうし、旨味も逃げるのでやめましょう。トルコではナイフを直接手渡しするのはケンカの合図となるため、必要な場合は一度テーブルに置いてから渡します。

ところで、タイやベトナムの屋台や庶民的な大衆食堂では、テーブルに置かれた紙ナプキンやトイレットペーパーで箸や皿を念入りに拭く人の姿を見かけることがあります。理由はもちろん食器の汚れを落とすため。といっても一応洗ってはあるので、そこまで神経質になる必要があるかは微妙なところですが、気になる人は真似してみては。 
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