雪の名前・異称・表現100選
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雪の表現は多彩。言葉ひとつで雪の世界が広がります。
<目次>
降る時期による名前・表現
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もう初雪は降りましたか?
やがて冬を越し、その年最後の【終雪(しゅうせつ)】となり、【雪の別れ】【雪の果て】【雪の名残】【雪消し雪】【涅槃雪】と呼ばれて冬に別れを告げます。歌で有名な【名残雪(なごりゆき)】は、まるで名残を惜しむかのように春近くに降る雪のこと。振り返ればあれが最後だったと思うような、その年最後の雪でもあります。
また、春になっても残る雪を【残雪】【去年の雪(こぞのゆき)】と呼び、とけずに残る【根雪】や、年中とけない【万年雪】もあります。
さらに、降る時期による名前にはこのようなものがあります。
【秋の雪/秋雪(しゅうせつ)】
秋に降る雪。
【冬の雪】
冬に降る雪。
【春の雪/春雪(しゅんせつ)】
春に降る雪。
【八日吹き】
12月8日に降る雪。
【三白(さんぱく)】
正月三が日に降る雪。
【臘雪(ろうせつ)】
旧暦12月に降る雪。
【太平雪(たびらゆき)】
春に降る薄くて大きな雪。
【雲雀殺(ひばりころし)】
春になってヒバリがさえずるようになってから振る大雪。
降る雪の名前・表現
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「銀花」におおわれ「雪化粧」した町はまるで別世界。雪の名前や表現を知ると雪を見る目が変わります。
【白雪】【雪花(せっか)】【深雪(みゆき)】【銀花(ぎんか)】
雪の美称。
【六花(りっか/ろっか/むつのはな)】【六つの花】【六出(りくしゅつ)】【六出花(りくしゅっか)】
六角形の雪の結晶からくる雪の別名。
【不香の花(ふきょうのはな)】
香りのない花という意味の雪の別称。
【風花(かざはな)】
風上の降雪地から、風にのって流されてきた雪のこと。
【瑞雪(ずいせつ)】
めでたいとき、めでたい予感がする雪のこと。
【慕雪(ぼせつ)】
夕暮れに降る雪のこと。
【細雪(ささめゆき)】
細やかに降る雪のこと。
【霧雪(きりゆき)】
霧状の細かい雪のこと。
【粉雪】【小米雪(こごめゆき)】
粉のように細やかな雪のこと。パウダースノー。
【灰雪】
灰のようにふわふわ舞う雪のこと。
【泡雪】【沫雪(あわゆき)】
泡のようにとけやすい雪のこと。
【淡雪(あわゆき)】
うっすらと積もる、とけやすい雪のこと。
【乾雪】
水分の少ないさらっとした雪のこと。
【玉雪】
比較的暖かい時期に降る、玉の形をした雪のこと。
【綿雪】【牡丹雪】【花びら雪】
雪片(せっぺん。ひとひらの雪をさす)の大きな雪のこと。
【餅雪】
玉雪や綿雪がややとけている状態の雪のこと。
【べた雪】【濡れ雪】【湿雪】
餅雪よりも水分の多い雪のこと。
【水雪】
べた雪と雨の中間。
【氷雪】
氷化した雪のこと。
【にわか雪】
一時的に降ってすぐに止む雪のこと。
【小雪(こゆき)】【微雪(びせつ)】
少しだけ降る雪のこと。
【斑雪(まだらゆき/はだれゆき)】
まばらに降る雪のこと。
【回雪(かいせつ)】
回るように降る雪のこと。
【大雪(おおゆき)】
勢いのある雪のこと。
【豪雪】
強力な勢いのある雪。
【吹雪】
風が激しく吹いて乱れ降る雪。
【白魔(はくま)】
恐ろしい被害をもたらす大雪のこと。
【霙(みぞれ)】
雪と雨が混じったもの。
【霰(あられ)】
積乱雲から降る直径5mm未満の氷粒。
【雹(ひょう)】
積乱雲から降る直径5mm以上の氷粒。・
積もる雪の名前・表現
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「雪明かり」のなか、街燈にも「綿帽子」
降り積もった雪の様子にも、色々な表現があります。
【銀世界】【銀雪】【雪化粧】
積雪した様子。
【新雪】
積もったばかりの雪のこと。
【薄雪(うすゆき)】
うっすらと積もった雪のこと。
【衾雪(ふすまゆき)】
一面に降り積もった雪のこと。
【深雪(しんせつ)】
深く積もった雪のこと。
【大雪(おおゆき)】
大量に積もった雪のこと。
【冠雪(かんせつ)】
山や物の上にかぶさった雪。
【締り雪(しまりゆき)】
積もってから数日経ち、締まって固くなった雪のこと。
【粗目雪(ざらめゆき)】
とけたり凍ったりを繰り返してできた粗い雪。
【どか雪】
一時に大量に降り積もること。
【宿雪(しゅくゆき)】
とけずに残っている雪
【万年雪】
高山などで年中とけない雪のこと。
【雪明かり】
積雪で薄明るくなる様子。
【雪持ち】
雪が枝や葉に積もっている様子。
【綿帽子】
樹木などに積もった雪の様子。
【松の雪】
松の枝葉に積もった雪。
【撓雪(しおりゆき)】
降り積もって木や枝をたゆませる雪。
【垂り雪(しずりゆき)】
枝や屋根などから落ちる雪。
【友待つ雪】
次の雪が降るまでとけずに残っている雪。
【吹き溜まり】
風に吹かれて積もった雪。
【里雪】
里に降る雪。
【山雪】
山に降る雪。
【雪崩(なだれ)】
積もった雪が崩れること。
雪の降り方を表す言葉
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「どさっ」……静寂のなか「垂り雪」の音が際立ちます
【こんこん】
雪が絶え間なく降る様子。
【しんしん】
雪が静かに降る様子。
【ちらちら】
雪がひるがえりながら降る様子。
【はらはら】
雪が軽やかに降る様子。
【ふわり】【ふわっ】
雪が空中に漂う様子。
【どさっ】
木の枝や屋根から落ちる雪の様子。
【綿々(めんめん)】
長く降り続いている様子。
【霏霏(ひひ)】
絶え間なく降り続く様子。
【蕭蕭(しょうしょう)】
もの寂しげに降っている様子。
雪の名前や表現を知ることで、味わい深い冬になりそうです。
※参考文献『日本語使いさばき辞典』(あすとろ出版)
雪の異称に関してよくある質問
Q. 仏教用語での雪の異称は?
A. 仏教用語での雪の異称は、「天花(てんか)」もしくは「天華(てんげ/てんけ)」です。仏教では雪を花と捉え、天上界に咲く美しい花という意味を込めて「天花」「天華」と呼ばれます。
Q. 雪の異称である「むつのはな」「六花」の由来は?
A. 雪の異称である「六つの花」「六花(りっか/ろっか/むつのはな)」は、雪の結晶が6弁の花のように六角形に結晶することに由来します。