レモンの絞り方マナーは、ひと切れのレモンに込められた思いから
料理に添えられたレモン、どうしていますか? レモンの絞り方にもマナーがあります。たかがレモンと言うなかれ。ひと切れのレモンにも料理人の心意気が宿っており、料理をより一層美味しくするための工夫がほどこされています。その意図を知り、食事のマナーやおもてなしのセンスを磨いてみませんか。<目次>
輪切り、半切り……レモンの切り方と料理人が込めた思い
添え物のレモンには様々な切り方がありますが、何となくカットされて置かれているわけではなく、料理人からのメッセージが込められています。- 半切り……たっぷりと果汁をかけてお召し上がりください
- くし切り……ぜひ果汁をかけてお召し上がりください
- 輪切り……レモンの風味を添えてお召し上がりください
- 飾り切り……美しさと風味をお楽しみください
プロであれ素人であれ、料理をする人はその料理をいかに美味しく、いかに心地よく食べていただくかを考えながら、仕上げにレモンを添えているんですね。
添え物レモンのマナー、絞る?絞らない?
では、食べる人はどうしたら良いのでしょう? レモンに込められた料理人からのメッセージを読めば対処法もわかります。もちろん、かける・かけないはお好み次第ですが、単に絞ればいいわけではありません。- レモンの切り方によって、絞り方も違います
- お箸を使う和食と、ナイフ&フォークを使う洋食では絞り方が違います
- 果汁が飛び散らないよう気をつけるのも大事なマナーです
半切りレモンの絞り方マナー
半分にカットされただけのレモンは、たっぷりと果汁をかけていただきたい料理に添えられています。比較的カジュアルなシーンが多いので、お好みの量を気楽に絞ってOK。【和食の場合】
片手にレモンを持ち、果汁が飛び散らないよう、もう片方の手でそれを覆うようにしながら絞ります。
【洋食の場合】
片手にレモンを持ち、もう片方のフォークで果肉の中央を刺し、フォークの先をねじるようにしながら果汁を絞ります。あまり勢いよくすると果汁が飛び散るので、ゆっくりと。また、フォークを使わず、手で絞っても構いません(和食の場合と同じです)。
くし切りレモンの絞り方マナー
くし型にカットされたレモンは、ぜひ果汁をかけていただきたい料理に添えられています。皮の部分を持つので絞りやすく、果肉に触れないため手も汚れず衛生的です。【和食の場合】
片手にレモンを持ち、果汁が飛び散らないよう、もう片方の手でそれを覆うようにしながら絞ります。皮を下に向けて絞ると風味が増すと言われています。
【洋食の場合】
果肉の真ん中をフォークで刺し、もう片方の手でそれを覆うようにしながら絞ります。果汁がフォークを伝うので飛び散ることもありませんが、あまり勢いよくすると飛び散るので注意しましょう。
輪切りレモンの絞り方マナー
輪切りにしたレモンは、果肉に手が触れるため、手で絞るものではありません。だから、風味をうつす程度で味わってほしい料理に添えられています。好みに応じて絞っても構いませんが、正式な席では控えた方がいいでしょう。【和食の場合】
料理の上にレモンをのせ、箸で軽く押し付けるようにします。両手に箸を持ち、互いに刺してまわし絞る方法もありますが、正式な席では控えましょう。
【洋食の場合】
料理の上にレモンをのせ、フォークで押さえながら、ナイフで軽く押し付けるようにします。
飾り切りレモンのマナー
細工をほどこしたレモンは、主に彩りを添えるためのもの。凝った細工なら、その美しさを視覚で味わった方がいいですし、風味をつけて味わいたい場合には、輪切りレモンと同様に扱いましょう。レモンをかけるときのマナー
料理人は、レモンひとつにも気を配っています。それはプロに限ったことではなく、私達素人も同じでしょう。美味しいひとときを過ごすためにも、仕上げのレモンに託されたメッセージを読み取り、それに応じた振舞いをすることが大切ですね。また、手で絞るものは手が汚れない切り方(半切り・くし切り)をしているわけですから、必要以上に手を汚さないようにしましょう。
ただし、味の好みは人それぞれ違います。個別の料理は自分の好みで構いませんが、複数でいただくときは、他の人にも配慮しましょう。人数分のレモンがついている場合は、取り分ける際にレモンも添えて。それ以外の場合には、かける前に必ず声をかけましょう。