知らないと困る、和のおもてなしの基本を解説!
お茶とお菓子の位置・出し方から、座布団の向き・置き方まで……知らないと困る和のおもてなしとは?
特に日本ならではのもてなし方があります。大人のマナーとして再確認するだけでなく、親から子へきちんと伝えておきたいですね。お手伝いは絶好のチャンスですが、実は大人も知らないことばかり?!
<目次>
おもてなしの素朴な疑問
座布団の表?正面ってどこ? |
親:「座布団の準備を手伝ってね」
子:「座布団の表はどっち?向きはあるの?」
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親:「お客様は床の間のある方の上座に座っていただいてね」
子:「床の間ってなに?どうして上座なの?」
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親:「お茶とお菓子の準備ができたから、運んでね」
子:「お茶とお菓子、どっちを先に出すの? 並べ方は?」
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座布団の置き方や向き、表はどっち?ファスナーは?
座布団は、表を上にして、正面をお客様の膝頭がくる方に向けましょう。【 座布団の表 】
座布団の中央にあるしめ糸に注目!しめ糸の房があるほうが表です。
※両面使えるよう、しめ糸がない座布団や、両面に房のある座布団もあります。
座布団は、真ん中に房がある方が表。座布団の向きは表を上に。
【 座布団の正面 】
座布団の輪に注目! 座布団は袋状になっており、一辺が輪になっていて、三辺が縫い合わせてあります。座布団は、縫い目のない輪の方が正面となります。
座布団は縫い目のない輪の方が正面。座布団を置く向きは、輪の方に膝頭がくるようにしましょう。子供の頃から慣れ親しんでおくと安心ですね
【ファスナーがある場合】
座布団カバーをかけているときは、ファスナーが後ろ側になります。
※正式には、カバーをかけていない座布団を出します。
座布団カバーをかけた場合、座布団の向きはファスナーが後ろ側になるようにします
その他の座布団マナーについては「日本人のしきたり、およばれのタブー」をご覧ください。
仏壇用の座布団の置き方・向き
仏壇の前には座布団がありますが、通常よりも大きくて厚い「御前座布団」「仏前座布団」と呼ばれる仏壇用の座布団を用いることが多いです。これは、長い読経に配慮し、大きく厚く上質に作られているからです。仏壇用の座布団の置き方は、通常の座布団と同じです。中央のしめ糸の房があるほうが表となり、縫い目のない輪の方を仏壇側に向けて置きます。法事では、皆が仏壇の前に座っているお坊さんに注目するので、座布団の置き方を間違えないよう気をつけましょう。
床の間とは
では次に、床の間についてチェックしましょう。 どうして床の間のある方が上座になるのか、ご存知ですか?掛け軸や生け花が飾りつけられた床の間
床の間の成立ち・由来・起源
茶の湯によって床の間も変わりました
やがて、押し板、違棚、付書院が部屋を荘厳化する装置となって、書院造に発展しました。そして他の部屋よりも一段高い押し板がつけられ、主君が家臣と会うときなどに使う「上段の間」ができ、これを「床」と呼ぶようになって、「床の間」となりました。もともと「床」という言葉には、人が座る「座」や「寝床」という意味があります。
後に茶室が造られるようになると、上段と押し板が縮小され、今でいう床の間の形になりました。
床の間の使い方
鏡餅を床の間に飾るのは、そこが神聖な場所であり、年神様の拠り所として相応しいからです
やがて江戸時代になると、庶民が床の間を造ることは贅沢だとして規制されてしまい、明治時代以降は客間に設けるようになりました。茶の間に床の間がないのもそのためで、現代でもお客様は床の間のある部屋に通され、床の間のある方が上座なのです。
こうした成立ちをふまえると、床の間のこんな使い方も頷けます。
- 鏡餅は床の間に飾る
- 床の間に仏画を飾る
- 床の間に仏壇を置く
- 大切なものをまずは床の間に供える
- 床の間に季節に合わせた掛け軸や生け花などをしつらえる
現代生活にマッチする「置き床」アイデア
現代は客間がある家が少ないですし、床の間まで設ける家はさらに少ないでしょう。そこで、お客様をもてなすリビングに床の間にかわる場所を設け、おもてなしの心を表すしつらいをしてみてはいかがでしょう。例えば、リビングボードや出窓などを上手に活用します。
また、置き床 (おきどこ)にする方法もあります。床に厚い板などを置いて花などを飾り、壁に季節の絵やタペストリーをかければOK。必要なときに好きな場所にしつらえればいいので、とても便利です。
お茶とお菓子の出し方・並べ方は?
【出す順番】お菓子が先、お茶が後です。
【運び方】
お菓子とお茶を別々に運んでも、一緒に運んでも構いませんが、ポイントを押さえましょう。
- 茶托にのせたまま運ばない。茶托と茶碗を別にして、お盆にのせます(ふきんを一緒にのせて行くと、粗相をしても対処できます)
- お盆は胸の高さに持つと、運びやすくて見た目も美しくなります
茶托をはずして運び、出す直前にお盆の上で茶碗を茶托にのせて出しましょう。ふきんがあるとこぼしても対処できて安心ですね
【並べ方】
お客様から見て、お菓子が左、お茶が右。
- 一旦お盆を下座側の畳に置き、お客様から先に出します。
- お客様に器の正面を向けて出します。
まずお菓子を左側に出し、次にお茶を右側に並べます
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