夏祭りの代表格「盆踊り」とは? 由来・起源や意味
盆踊りの由来とは?楽しいけれど、なぜか切ない盆踊りには意味があります
仏教の念仏踊りから発展「盆踊り」とは? 由来・意味
盆踊りとは、その名の通りお盆に関係する行事として始まりました。■お盆に迎えた祖霊を供養する行事
本来、盆踊りはお盆にかえってきた祖霊を慰める霊鎮め(たましずめ)の行事です。平安時代に空也上人が始めて鎌倉時代に一遍上人が全国に広げた「踊り念仏」(念仏に力点をおいている)が、室町時代から江戸時代にかけてさまざまな民間習俗を取り入れた「念仏踊り」(踊りに力点をおいている)に発展し、盂蘭盆会(うらぼんえ。いわゆるお盆のこと)と結びついて、精霊を慰め送り出すための行事になりました。多くの地域で15日の晩に盆踊りをし、16日に精霊送りをするのもそのためです。
■月明かりの下、人の交流を深めます
さらに盆踊りには娯楽的な要素もあります。盆踊りは地域の結びつきを深めたり、お盆に帰省した人々の再会の場になったり、男女の出会いの場でもあったのです。盆踊りの歌詞に色恋ものやきわどい内容が多いのはそのためで、人々は年に一度の盆踊りに様々な思いを託しました。
旧暦のころは15日といえば満月。月が満ちるとき、その引力で海は大潮となり、人は高揚するといわれています
盆踊りには、楽しさと切なさがある
盆踊りは、祖霊になった人々との別れを惜しむ踊りであり、人の出会いや別れとともに過ぎ行く夏を惜しむ踊り。子ども達は無邪気にはしゃぎ、大人達は様々な思いを胸に踊ります。そのためでしょうか、楽しいだけではなく、なぜか切なさを感じます。帰省先なら、お盆の締めくくりになくてはならない行事。家族揃ってぜひ参加してみてはいかがでしょう。旅先などでは、その土地ならではの風情にひたって踊りましょう。
盆踊りはどうやって踊ればいいの?
盆踊りは眺めているだけじゃつまらない。踊ったほうが楽しいけれど、なかなか勇気が出ませんね。そこで踊りに加わるヒントです。やぐらを囲む輪踊りは、盆踊りの定番。飛び入り参加しやすく、踊り手の一体感も出て盛り上がります
●基本的には誰でも参加OK!
盆踊りは踊り手が決められている場合もありますが、基本的には誰でも参加できます。やぐらを囲んで輪になって踊る「輪踊り」と、町中を流して踊る「流し踊り」がありますが、輪踊りの方が飛び入り参加しやすいでしょう。流し踊りはあらかじめ連を組んで踊る場合が多いのですが、飛び入り参加も歓迎されます。いずれも、同じ振り付けパターンの繰り返しなので、基本パターンを覚えれば大丈夫です。
●教えておばあちゃん! 踊り方を伝授してもらおう
見ているうちに自然と覚えられますが、故郷の祭りなら、親から子へ、祖父母から孫へ伝えてあげたいですね。もちろん、周囲の方も気軽に教えてくれますし、そこから交流もうまれます。あらかじめミニ講習会をしてくれるところもありますが、少々間違ってもそんなことはご愛嬌。気にすることはありません。
●盆踊りのポイントは足!
ほとんどの盆踊りは、手の動きよりも足の動きを重視しています。これは、足・下半身の跳躍運動が神送りの意味をもつためで、天地の間にいる人間が地を踏むという動作には、霊を封じ込める鎮魂の意味があります。「踊」という字も足偏ですね。ちなみに、神迎えは手を重視した「舞」になります。
盆踊りでは足の動きのほうが意味が強い踊りが多い
●盆踊りには浴衣が映えます!
盆踊りの振り付けは浴衣が基本なので、洋服よりも浴衣で踊ったほうが美しく映えます。着ている本人も気分が出ますし、見ているほうも楽しい。ぜひ袖を通してくださいね!
▶浴衣の着方やマナーシリーズ
- 浴衣の下着や補正・必要なもの…着付けのいろは これで完璧!
- みやこ結び(リボン返し)の結び方…浴衣の半巾帯で変わり結び
- 兵児帯の結び方とアレンジ術!子供&大人に人気の浴衣帯
- 浴衣の時の歩き方や階段ののぼり方、車の乗り降り美しいマナー
- 浴衣でトイレの仕方や着崩れの直し方、着崩れしない美しい座り方
躍動するリズムにのって踊る高揚感は格別です。この盆踊りの醍醐味を、家族揃って味わってみてはいかがでしょうか。
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