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米大統領と酒2/教科書が語らない歴史

バーボンで命拾いしたセオドア、三国首脳会談時のトルーマンのマティーニ、ボストンのウイスキー樽職人からはじまったケネディ家のアメリカン・ドリーム。ま、教科書が語らないのは、当たり前だな。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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バーボンで命拾いしたセオドア

ジャック・ダニエル氏
セオドアに心酔したジャック・ダニエル氏
さてオバマ大統領就任記念の酒の肴ばなし2回目。第26代のセオドア・ルーズベルト大統領のエピソードからはじめよう。
セオドアは1933年に禁酒法を撤廃した32代のフランクリン・ルーズベルトの親戚関係にあたる。彼の経歴は警視総監、海軍次官補、キューバ出征、ニューヨーク州知事、副大統領、大統領と華々しい。
加えて自動車に乗った初の大統領、飛行機に乗った初の大統領、海軍の潜水艦ブランジャー号に大統領として初めて同乗し自ら操舵したなどエピソードも華々しい大統領だ。何かに乗ることが好きだったのかもしれないが、その経歴の中に2年間ほどカウボーイをしていた時期がある。
カウボーイの時、ケンタッキーに狩猟に出かけたその帰り、セオドアはインディアンの襲撃を受けた。恐怖のあまり必死に逃げようとするのだが、馬の足はいっこうに伸びない。それもそのはず、馬の背には彼だけではなくバーボン樽が2樽も結び付けてあった。
セオドアは仕方なく、バーボン樽をくくり付けていた縄を切る。すると馬の逃げ足が伸びるとともにインディアンの追跡も止まった。しばらくして振り返るとインディアンはバーボン樽に群がり歓声を上げていた。

セオドアに心酔したジャック

1907年10月のある温かい日。セオドア・ルーズベルトの演説を聞いて魅了されてしまった男がいる。ジャック・ダニエル。
翌年は大統領選挙の年だった。セオドアに心酔したジャック・ダニエルは、大統領選で再びセオドアが勝利した時には就任式に記念ボトルを贈ると周囲に語った。ところが1908年の選挙にセオドアは出馬せず、この記念ボトルの構想は流れてしまった。
セオドアが大統領に就任したのは1901年。実はその80年後、後継者が創業者の思いを遂げ、就任80周年記念「ジャック・ダニエル ルーズベルト・デキャンター」を発売している。1987年だったか、86年だったかもしれない。日本でも限定でルーズベルト・デキャンターを売り出した。わたしはそのコピーを書いたのだが、いま思えばあのデキャンターを取っておけばよかったと後悔している。1.5リットル入りの豪華なボトルだった。
20年以上も前のこと。いま古くからやっているバーに行くと飾っていないかと店内を見回すことがある。読者の方でもし見つけられたら教えていただきたい。
次頁ではトルーマンの歴史的巨頭会談時のディナーの様子、さらにはJ.F.ケネディとウイスキーを伝える。
(次頁へつづく)

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