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ジャパニーズは世界のウイスキーとなるか4

今回は10月に発売されたばかりのザ・マッカランとグレンモーレンジの2品を紹介しながら、世界のウイスキーになるための革新の必要性を語ってみた。ウイスキーはゆっくり、じっくりと進化している。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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世界ナンバー1になるために

イアン・モリソン氏
セミナーでのイアン・モリソン氏
さて今回がこのシリーズ最後となる。この10月に発売されたスコッチのシングルモルト2製品を紹介しながら話をすすめる。ひとつはザ・マッカラン グランレゼルバ12年。もうひとつはグレンモーレンジ シグネット。

2005年、ザ・マッカランが従来のシェリー樽熟成原酒にバーボン樽での熟成原酒をヴァッティングしたファインオーク・シリーズを発売した。そのときバーテンダーをはじめファンの間からなぜそんな製品を出すのか、「コモンオーク(スパニッシュオーク)のシェリー樽だからこそザ・マッカランなのでは」といった言葉が聞かれた。
たしかにわからなくはない。だがわたしの個人的な意見を述べると、ファインオークの開発は新しい香味を生み出して企業として成長するため、グレンフィディックを抜いて世界ナンバー1を目指すために他ならない。ザ・マッカランに限らず、世界に知られたメーカーならばナンバー1を目指しているはずだ。
そしてこれが世界品質のウイスキーづくりだとも思う。
従来のコモンオークにオロロソシェリーを寝かせた樽をつかったつくりを怠っているわけでもない。ウイスキー飲みはどうも頑なところがあり、変化を好まず、懐古趣味に陥りやすい。ボランティアでウイスキーをつくっている訳ではない。利益を出さなければ、進化しようもない。

ファーストフィルのパワー

ザ・マッカラン グランレゼルバ12年
ザ・マッカラン グランレゼルバ12年
さてザ・マッカラン グランレゼルバ12年(45度、700ml)。昨年も話題を呼んだ一瓶だ。今年も日本には1,000本限定で発売された。オープン価格だが、もし量販店に置かれたなら¥7,000程度の値になるだろう。
わたしは9月18日に国際フォーラムで開かれた三陽物産主催のモダンモルトウイスキーマーケットで、マッカランのブレンダー、イアン・モリソン氏のセミナーを聞きながらテイスティングした。
香味は複雑でパワフル。スパイシーでジンジャーや柑橘系、チョコレートといった余韻を愉しめる。原酒のほとんどがコモンオークにオロロソシェリーを寝かせた後のファーストフィル。テイスティングしてすぐにそれがわかる。つやのある樽香をしっかりと感じ、口に含めばコモンオークという樹種特有のパワーを感じる。
ワインでも樽香を好む人にはこの一瓶をおすすめする。またスタンダードなザ・マッカランと飲み比べると面白いだろう。では次ページではグレンモーレンジ シグネットを紹介しよう。(次頁へつづく)

次頁へつづく)

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