香りと味の多重奏
まず、軽やかな料理から楽しみたいもの。一皿目に選んだものは
帆立貝とブルグールのティンバル仕立て オレンジとガラムマサラ風味。
クスクスのような食感と味わいの「ブルグール」をあっさりとしたサラダ仕立てに。この料理、ひと言では説明できない複雑さがあります。オレンジソースのコクと酸味、帆立の甘み、添えられたビーツのシャリ感、フレッシュの日向夏のフルーティさ、ブルグールのツブツブ感、様々な食感と味覚が絶妙なバランスで口の中で混じり合います。ガラムマサラをきかせたカレーオイルが香りのアクセントに。重なり合うことで引き出される食材の旨味を再発見できる一皿です。
南仏料理の中に漂う和テイスト
このレストランの料理で特徴的なのが“香り”を組み合わせること。2皿目の
真鯛の香り蒸し 根セロリのブイヨンも然り。セロリの清々しい香りをバジルオイルで膨らませます。爽やかな二種類の香りが組み合わさることで、真鯛の味わいや風味がより鮮明に感じることができるのです。
コースは各4~8種のプリフィクススタイル。二皿目のチョイスで、これまたおすすめしたいのが、
伊達鶏のオレキエッテ。コクのある伊達鶏の旨味を含んだソースが、耳たぶのような型のオレキエッテによく絡みます。三つ葉の香りと焼いた下仁田葱の芳しい香りがどことなく和のテイストを感じさせてくれます。
さて、
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