和菓子/その他の和菓子

老舗の新作、ハイカラなバレンタイン(2ページ目)

創業1634年の名古屋の老舗、「両口屋是清」のバレンタインのお菓子を2種類ご紹介します。新作のチョコレート羊羹「愛のこばこ」は、おじいちゃんに贈りたくなるハイカラな味でした。

原 亜樹子

執筆者:原 亜樹子

和菓子ガイド

新作はチョコレート羊羹「愛のこばこ」

箱
淡い紅色の梅模様の小箱で
和の季節感を演出
2つ目は今年の新作「愛のこばこ」。カカオ分66%のチョコレートに白餡を合わせて固めた1口サイズのチョコレート羊羹です。

例年のバレンタインのお菓子では、あくまでも主体は餡で、そこにチョコレートの風味を添えたり包んだりという発想だったのが、今年はチョコレートの味を前面に押し出したところが新しい点とのこと。

羊羹
キャンディ状に包まれた羊羹は
ハート型2個、
キューブ型10個入り
小豆ではなく、白餡に用いる手亡豆を使った羊羹は餡の風味は抑えられていますが、弾力のある食感、そして小城羊羹のように糖化した表面のシャリ感、さらにチョコレートのようにとろけるのではなく、餡特有の口に残る余韻が和の要素を感じさせます。

羊羹
いくつかの羊羹には
金箔を散らしている
この羊羹を試食して、頭にパッと浮かんだ言葉が「ハイカラ」です。どこか懐かしさを感じさせるチョコレートの風味のせいかもしれません。古風なおじいちゃんでも、こんなバレンタインのお菓子なら喜んでくれそうです。

同店の和菓子職人歴15年で、現在は広報担当の中嶋克博さんのお話を伺っていると、社内の風通しの良さ、アイデアを出しやすい環境、若い人の意見も積極的に取り入れる社風などが伝わってきます。今回の新作もこのような環境だからこそ生まれたもの。

最近では表参道ヒルズにカフェスタイルの「R style by 両口屋是清」をオープンしたり、和菓子に関する季刊誌『いとをかし』を創刊したり、伊勢丹新宿店限定で羊羹やういろうなどの棹菓子を1人分にカットした「ちょこっとSaomono」を販売したりと、老舗の伝統を守るだけではなく、新しいことを次々と試みている「両口屋是清」。これからも目が離せません。

<店データ>
「両口屋是清」
販売店:両口屋是清各店(※一部店舗では取り扱いなし)
問い合わせ電話番号:0120-052062

◇価格:
「二人幸」(しあわせ)1箱630円
「愛のこばこ」1箱840円

【バレンタインの和菓子】
2008年「トラヤカフェ」のバレンタイン
【両口屋是清関連の記事】
季刊誌『いとをかし』創刊
「R style by 両口屋是清」
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