和菓子/まんじゅう・餅菓子

「向じま 志”満ん草餅」1品で楽しむ四季(2ページ目)

「向じま 志”満ん草餅」(じまんくさもち)の草餅の香りを嗅ぐと思い出すのが幼い頃に食べたよもぎ餅。近所に自生するよもぎで搗いた餅と同じ、豊かな香りがするのです。

原 亜樹子

執筆者:原 亜樹子

和菓子ガイド

看板商品の草餅「あんいり」と「あんなし」

あんいり
俵型の「あんいり」
渋切しない自家製のこし餡は、
色も味も濃い
看板商品の「草餅」は、「あんいり」「あんなし」の2種類です。「あんいり」に包まれているのは十勝産小豆で作る自家製のこし餡。

「あくまでも餅を楽しんで欲しいから」と、餅7に対して餡が3とやや少なめの割合になっています。とは言え物足りなさを感じないのは、餡を渋切せずに炊いているため。見るからにコクのありそうな黒色のこし餡は、よもぎの香りに負けない小豆の風味が残っています。

あんなし
ユニークな形の「あんなし」
常連客の間では
「渡し舟を模した」との説も
「あんなし」は真中が凹んだユニークな形をしています。この窪みは添付の白みつときな粉を乗せるのに都合が良いのですが、鈴木さんによると渡船場の横で売っていた頃に、食べ歩きやすいようにと工夫した形だろうとのことです。

あんなし
草餅「あんなし」
窪みには、好みの量の
白みつときな粉を乗せて
草餅は6:4の割合で「あんなし」の方が人気があるそうですが、実は私もどちらかと言うと「あんなし」の方が好みです。よもぎの香りが純粋に楽しめるのはもちろん、シコシコとした切れの良い食感も、より生きるように感じます。

さらりとした白みつと香ばしいきな粉は、草餅の香りを邪魔することなく引き立ててくれますが、何も付けずにそのままでも美味しく頂けます。

見かけたらぜひ買いたい「草大福」

草大福
粒餡入りの「草大福」
「草餅」とは異なる
伸びのある食感が楽しめる
こちらの「草餅」は上新粉で作られていますが、実はこれとは別に、もち米を使った「草大福」も作られています。もち米を蒸して熱を抜き、しっかり搗くという「草大福」は伸びがよく、もっちりしています。

手間がかかるため数を作っていないのと、草餅で手一杯の時期には作っていないのとで常連客以外にはあまり知られていないようですが、運よく店頭で見かけた時にはぜひお試しを。

次ページでは、「さゝ餅」と「栗きんとんどら焼」などをご紹介します>>
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