島根県西端、津和野の古い町並みに調和する「和菓子処 三松堂」。3代目ご主人の様々な試みは、和菓子を通して珈琲や器へと世界を広げてくれました。
(目次)
P1 津和野と「和菓子処 三松堂」
P2
工場長だけの秘伝「鯉の里」と珈琲「倭の風」、「源氏巻」P3
「くるみ、むしどら」、「大屋窯の器」と店舗情報、オンラインショップ「津和野」と「和菓子処 三松堂」
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津和野といえば鯉 カトリック教会側の掘割で |
私が津和野を訪ねたのは気持ちの良い秋晴れの日。川べりをブラブラしたり、掘割に泳ぐ鯉を見ながら石畳を歩いたり、山の紅葉を眺めたりしているうちに、自然と気持ちが柔らかくなりました。
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三松堂本店 秋晴れの日に |
美しい町に馴染む「和菓子処 三松堂」は昭和26年創業。今では本店の他に、津和野本町の「菓心庵」と益田市の「益田店」の2つの支店があります。
「和菓子とお茶」の習慣
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お菓子は店内で 「まめ茶」と共に いただけます。 |
本店にお邪魔したのは、観光の方で混みあう前の早い時間。それでも、近所の方が途切れずいらしていました。
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塩の効いた「豆の大福」 求肥に練りこんだ丹波の黒豆 もっちり感がたまらない |
「今日は源氏巻3本。豆の大福はここで食べて行くよ。」「ボーロ、今日もないね。」やりとりに耳を傾けていると、「この辺では、お茶と和菓子は日常生活の一部なんですよ。」と教えられました。
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香ばしい「黒豆きなこ」 道明寺風のこし餡入り餅 |
そういえば、同じ島根の松江でも同様の話を聞きました。こんな風に和菓子とお茶の習慣が自然に生活に溶け込んでいること、とても素敵だと思います。
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葛粉入りの「栗蒸し羊羹」 もっちり、そして柔らか |
ところで前出のボーロとは、「かずはじめ」という名のお菓子のこと。卵黄と砂糖、粉で作った少し固めのクッキーのようなお菓子ですが、手間暇がかかり過ぎるために、なかなか作ることができないそうです。運よく店頭で見かけた場合はぜひお試しを。