工場長だけの秘伝「鯉の里」と珈琲「倭の風」

鯉の里
「鯉の里」
口溶け良くあっさり
三松堂が最も大切にしているお菓子「鯉の里」。小豆と砂糖、寒天から作りますが、羊羹よりも口溶けがよく、甘みもあっさりしています。少し赤みがかっているのは、備中赤小豆の特徴と聞きました。

何でもこの鯉の里を作ることができるのは、工場長ただ1人とのこと。大事な「鯉の里」作りの後継者の第1条件は「津和野に骨を埋める覚悟のある人」。責任重大です。

倭の風
「長屋門珈琲カフェ・ティカル」
のブレンド珈琲「倭の風」
(※後述の大屋窯のカップではありません)
鯉の里に合わせたのは、珈琲「倭の風」(わのかぜ)。和菓子と相性の良い珈琲をと、萩の珈琲専門店へ依頼したものと聞き、早速試してみました。柔らかなコクと苦味の中に少し酸味を効かせてあり、余韻の爽やかさが印象的でした。

和菓子の甘みと珈琲の酸味がバランス良く口の中で溶け合い、すっとした後味。今まで餡のお菓子は、チョコレートのような甘い香りの珈琲とともに頂くことが多かったのですが、萩の「長屋門珈琲カフェ・ティカル」によるブレンド珈琲「倭の風」は、新しい定番になりそうです。

津和野といえば「源氏巻」(げんじまき)

源氏巻
「源氏巻」の名は
津和野藩主の奥方が詠んだ
『源氏物語』の和歌に因んで
津和野のほとんどの和菓子店に並ぶ「源氏巻」は、しっとりした薄いカステラ生地で餡をクルリと巻いたお菓子。

源氏巻
包まれた紫の餡から
『源氏物語 若紫の巻』
の歌を詠んだとのこと
源氏巻の原型は、元禄時代、津和野藩主の亀井と吉良上野介の間のもめ事を取り成そうと、亀井の家老の多胡外記が上野介に贈った進物の1つと言われます。三松堂では包み紙を、由来に因んだ仮名手本忠臣蔵のものから、鯉を配した津和野らしいデザインに変更したばかり。イメージが大分柔らかくなりました。

三松堂の源氏巻は、封を開けたときの香ばしく甘い香りと、皮のしっとり感がたまりません。国内産の小麦粉と上質の北海道小豆を使っているので、美味しいだけでなく安心です。