夏休みに帰省する方がそろそろ気になってくる「お土産」。手土産にしたい東京のお菓子はたくさんありますが、日持ちの面からもお薦めしたいのが「かりんとう」。黒糖のたっぷりついた昔ながらのかりんとうも美味しいのですが、今回ご紹介するのは味も見た目も上品な手土産にぴったりの「かりんとう」です。
(目次)
P1 手土産にしたい「東京のかりんとう」
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始まりは料亭の手土産「かりんとう 小桜」(浅草)P3
ガラス細工のような飴がけのかりんとうほか手土産にも喜ばれる「かりんとう」
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「かりんとう 小桜(浅草)」 かりんとう「ゆめじ」 (茶巾袋420円~) |
花林糖と書かれることもある「かりんとう」の由来は諸説あり、遣唐使によって伝わった唐菓子に始まるとも、16世紀ごろに伝来した中国の菓子とも、また同じく16世紀ごろ伝わってきた南蛮菓子の一種とも言われています。いずれにせよ、江戸時代には江戸の庶民的な雑菓子(駄菓子、黒糖を使ったお菓子)としても親しまれていたようです。
おやつとして馴染み深いかりんとうの基本的な作り方は小麦粉に水飴などを加えてこね(イーストや膨張剤を加えることが多いようです)、油で揚げてから蜜などをかけるというもの。(参考文献『事典和菓子の世界』中山圭子著、岩波書店)
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「かりんとう たちばな」(銀座) (丸缶(小)1,100円~) |
今回ご紹介するのは素朴なかりんとうではなく、手土産にも向く高級感のあるもの。高級かりんとうの先駆けと言えるのが、新宿中村屋が進物にも使えるものとして大正時代に販売を始めたかりんとうですが、今回は昭和に入ってから始まったかりんとう専門店のものを中心にご紹介します。味はもちろん、こだわりの感じられる缶や包装紙も、手土産にお薦めする理由です。