和菓子/その他の和菓子

松江の和菓子その1 一力堂・彩雲堂に習う(2ページ目)

茶人大名、松平不昧公縁の松江は、京都、金沢と並び称される和菓子処です。今回、次回の2回に分けて、松江の和菓子情報をお届けします。第1回目は、老舗の和菓子職人に習う和菓子作り体験です!

原 亜樹子

執筆者:原 亜樹子

和菓子ガイド

不昧公好みの「若草」

若草
彩雲堂の代表銘菓
「若草」
松平不昧公のお好みとされる「不昧公好み」のお菓子が、現在松江の多くの和菓子店で作られています。写真の「若草」もその一つですが、現在作られているものは、一度製法が途絶えたものを明治時代に研究の末、蘇らせたもの。厳選したもち米で作る求肥に、薄緑に染めた寒梅粉(もち米を蒸してつきあげた後、焼き色がつかないように焼いて砕いた粉)をまぶした若草は、本来は春の和菓子ですが、現在は一年中作られています。

続いてご紹介するのは、「若草」で知られる明治7年創業の「彩雲堂」の職人から教わる和菓子作り体験教室です。

「彩雲堂」の職人直伝の和菓子作り体験

彩雲堂
左は「つくし」
右は「菜種きんとん」
会場は彩雲堂ではなく、旧日本銀行をリニューアルした「カラコロ工房」。今回教えていただいた和菓子は「つくし」と「菜種きんとん」です。こし餡を煉切で包んだ「つくし」の、茎の部分はシナモンで、頭の部分は餡とけしの実。菜の花を表したきんとんの上には羊羹で作ったちょうちょうが止まっています。自分で作った2種類の和菓子と彩雲堂の代表銘菓「若草」の3つを持ち帰ることができます。

この道何十年の職人の方に優しく励まされながら和菓子を作る体験教室は、子供にも人気があるようで、私が訪ねたときも、子供たちが和菓子作りを楽しんでいました。こちらの和菓子作り体験教室も、要予約です。

四季折々
季節に合わせた
和菓子のデザイン
ところで今回、松江市内10ヶ所ほどの和菓子店を訪ねて驚いたことは、どのお店の主菓子も、材料、味、デザインが非常に優れているにも関わらず、価格は庶民的であること。日常的にお茶と主菓子を楽しむ習慣のある松江では、お菓子の質は落とせず、値段は上げられないと多くのお店で耳にしました。松江の和菓子事情、羨ましい限りです。

伝統的な和菓子が大切にされている松江ですが、今新しい試みがなされています。次回は松江の和菓子業界の新たな試みである、松江の和菓子と「ニューヨーク」の話をご紹介します。お楽しみに!

*今回、松江の和菓子を調べるにあたり、お世話になった皆様、本当にありがとうございました。

<店データ>
一力堂
所在地:(京店本店)島根県松江市末次本町53
TEL:0852-28-5300 
FAX:0852-28-5301
営業時間:8:30頃~20:00頃まで
定休日:元旦
地図:一力堂
予算:和菓子作り体験 850円
    「姫小袖」6個箱入り851円~

彩雲堂
所在地:(本店)島根県松江市天神町124
TEL:0852-21-2727 
営業時間:9:00~18:30
定休日:元旦
地図:彩雲堂
(和菓子作り体験はカラコロ工房内島根県松江市殿町43 )
予算:和菓子作り体験 1050円

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