『雌狐』の甘美な罠


ボトルににんまりと微笑む雌ギツネ
ボトルには大きくVIXEN(『雌ギツネ』)と書かれ、金色のキツネがニンマリと振り返る……意味ありげなパッケージである。英語でこの言葉は性悪女を暗示するのだという。今風に言えば「小悪魔」的なワルい女性も「ヴィクセン」と呼べなくもない。


『Vixen』の字体が異なる新ボトルもあるが、雌狐の姿は健在
ほろ苦くてしなやかでセクシーな感じもあるシラー種を主に、しっとり感のあるカベルネ・フランやちょっと貴族的なカベルネ・ソーヴィニヨンを加えた赤ワインしかもスパークリングである。

オーストラリアの暖かい気候を反映して、よく熟したチェリーやストロベリーの果実味がたっぷり。ほどよい甘味としっかりめのアルコール(14.4%)があるのでするすると喉を下る。使用しているブドウの収穫年は複数にわたるのでラベルに年号は入っていないが、樽熟成したワインをブレンドしており、ヴァニラのような樽香や熟成感も楽しめる。

このような味わいなら、極甘口ワインほどには飲み方が限定されない。甘さ控え目なデザート(特にヴァニラの香りがあるもの)と合わせたり、甘やかな果実味を少し甘味とコクがある料理(例えば中華料理やエスニックなど)と合わせればしっかりと受け止めてくれる。実際、生産者は「ヴィクセンと合うカレー」をテーマにしたイベントも開催しているというから、こうした組み合わせはお墨付きだ。

このワイン、ジューシーで口当たりがいいので、つい飲みすぎてしまうかもしれない。雌ギツネの魅力にはご用心……。