岩海苔とウニがフランス料理に
手前に『生ハムとケッパー・スプラウトのミニ・バーガー』そして背後に『パルメザンチーズと黒胡椒のチュイル』 |
前菜は小ぶりなカクテルグラスに盛られた『海藻塩でアセゾネしたマスカルポーネと雲丹のコンビネーション』。ウニに岩海苔が散らされているこの料理とテーブルで対面して、「和風フレンチ」のような風味だろうかと一瞬戸惑う。スタッフに勧められるまま、下の層に置かれているコンソメジュレとフレッシュチーズとともに、ウニと岩海苔をスプーンでざっくりとすくって口に入れてみる。
柔かく甘味が豊かで純粋な風味のウニが、ふるふるした繊細なコンソメジュレと、そしてほのかに甘くそしてすべすべした舌触りのマスカルポーネと、口の中で渾然一体になる。クリーミーな味わいの中に、食感と潮の香りのアクセントを与えるのがさくさくした岩海苔とプチプチした飛子、そして海藻塩。これは和の素材を組み込みながら、見事にフランス料理として主張する料理である。
アルザス リースリング ヴィエイユ・ヴィーニュ 2000年 (マルク・テンペ) |