まず赤から8本

ボトル一本分のワインが入りそうな大きいグラスに、赤ワインが注がれる。おやと思われる方もいるだろうが、現在では赤から試飲をはじめて白に移る順番も珍しくはない。地域はブルゴーニュ地方全体のものから、コート・ドゥ・ボーヌの比較的柔かい味わいの一級・特級畑まで。自社畑のブドウで造る「ドメーヌ・ルロワ」ものは(ドメーヌ)と書き添えたが、それ以外は買い入れた素材の「メゾン・ルロワ」ものである。

  1. ブルゴーニュ赤 1999年
  2. ポマール 一級畑 1999年
  3. ヴォルネイ 一級畑サントノ 「デュ・ミリュー」 1997年 (ドメーヌ)
  4. ヴォルネイ 一級畑クロ・デ・シェーヌ 1987年

大ぶりのグラスそれぞれの中に個性豊かな香りが立ちこめる

  5. コルトン 特級畑ルナルド  1997年 (ドメーヌ)
  6. コルトン 特級畑ルナルド  1967年
  7. ジュヴレイ・シャンベルタン 一級畑レ・コンボット 1997年 (ドメーヌ)
  8. ジュヴレイ・シャンベルタン 一級畑レ・カズティエ 1957年

全般に感じられたのは、高級ワインにありがちな人工的に作り上げた風味がまるでないこと。そのヴィンテージ、その畑の持ち味をごく素直に出しているのだが、さりげない調和やバランスがある……そうしたワイン(あるいは人間でもいい)が年齢を重ねることを想像して欲しい。7番はまだ力強く精妙な味わいのまとまりが感じられ、8番など半世紀を経てなお生き生きとした酸味と果実味、香ばしくかぐわしい熟成香といった、数え切れない要素が渾然一体。こうしたワインを前にして、我々はルロワ氏の直感の冴えをまざまざと実感させられる。

白を4本利く>>