あなたは全問正解?
ワインを当てなくてはならない。これが心地良いプレッシャーとなり、参加者はそれぞれじっくりとワインを見ては推測し香りや味わいを手がかりに推理する。色に3点、香りに7点、味に10点を配分した20点満点で採点し、合計点は10点~20点の範囲で採点した用紙が集められる。無記名ではあるがパリ対決同様、後から採点用紙を取り返すことは出来ない。「さあ、答え合わせの時間です!」と葉山氏の宣言。お楽しみの正解発表である。たいていの参加者はこれはと思ったワインが自分の分析と違ったことに驚く。「パリ対決の時に審査員はたいてい『このワインはフランス産に違いない』と思ったものに高得点を与えていた。推測による思い込みは、間違いの元になる」とスパリュア氏。「私が間違えたのは、時差ぼけのせいですが」と冗句も忘れない。
素晴らしい香り
マンズワイン『ソラリス 東山カベルネ・ソーヴィニヨン』2002年 |
スパリュア氏の分析は「色と香りが素晴らしい。これぞカベルネというチョコレートの香り。味わいがやや厚みや複雑さに欠けるのは、ブドウ樹が若いからか? 余韻がすこし硬く金属的な感じがある」と述べた。
私は香りになかなかエレガントで複雑な芳香を感じた。レーズンやプラム、黒いチェリーや乾燥イチジクといった果実味があり、味わいはアルコールや若いアロマもたっぷりあるのだが、やや酸化熟成が進んでいるようだ。
非常に良く出来たボルドー
シャトー・レオヴィル・バルトン2002年 |
「2002年はボルドーでは悪いヴィンテージ。だがこれは非常に上手に造られていて、原料ブドウが良い畑で造られていることが感じられる。良いのだがちょっと若くて、荒々しさがある。オーク樽の香りも馴染んでいない」
なるほど、抑制の効いた黒い果実の香りが若々しく、味わいはしっかりと濃厚で、アメリカンチェリーのようなしなやかな果実味が詰まっている。余韻は熟したレーズンのようで、若々しく元気よく酸味の効いた印象だった。まだ数年は熟成しそうである。
他の2つのワインの講評>>