淹れ方
碧螺春は上投法で淹れます
このお茶を飲むときは、蓋碗でお湯を入れた後に茶葉を入れる「上投法」がいいと言われます。上投法とは、まず茶器に湯を注いだ後、茶葉を投げ込む方法です。碧螺春は、芽が沢山あるお茶で、思いのほか重量があります。そのため、湯を先に入れてから茶葉を投げ込んでもちゃんと茶葉が沈むのです。
このように、グラスで淹れると、細かい茶葉が沈み、そして開いて、見た目も愉しむことが出来ます。
しかし、茶壷を使った淹れ方も海外ではポピュラーのようです。
例えば、シンガポールの女流作家孫愛玲(Sun Ai Ling)さんの作品に「碧螺十里香」という作品があります。この小説は、碧螺春を龍の茶壷でいれる場面から始まります。この短編は、清末のけなげな女性を碧螺春にたとえた作品であるといわれています。
「八人の孫娘達の心の中で彼女は碧螺春のものもだった。十里離れていても皆その香りをかぎことができるという碧螺春。彼女の孫娘達への影響は一生のものだった。そして彼女達が飲むお茶は皆同じで、極上の碧螺春しか飲まなかった。それこそが緑茶中の緑茶だったからである。」(「斑布曲-彩りの道」孫愛玲著 紀伊国屋書店より引用)と結ばれているこの作品で形容されているように、碧螺春はやはり緑茶の中では龍井と並んで最高位のお茶なのでしょう。
蘇州を故郷に持つお茶仲間にいただいたお茶は、果樹園で作られただけあって、ほんのりと果物の香りのする美味しいお茶でした。
グラスの中には小さな芽が沢山
<関連リンク>
愛子さんの熱心なお茶作りの様子(動画)は、こちらから
碧螺春の旅(ラ・メランジェ)
碧螺春の様子は今古茶藉のブログが詳しいです