六安瓜片の製茶法
独特の製法で作られるボディーのある六安瓜片
六安瓜片は三種類に分けて、穀雨前に摘んだものは「名片」と呼ばれ品質が最良、その後摘んだものは「瓜片」、雨後の摘んだものは「梅片」と言われます。
その多くは、穀雨前後に一芯二葉ないし一芯三葉で摘み始め、鮮葉の芽と葉を分けて葉だけを加工します。
茶摘みをしたあと、若干自然の中で天日干しします。攤放という工程です。
次に、殺青・乾燥の工程ですが、殺青は、生鍋、熟鍋、乾燥は、毛火、小火、老火の工程がおこなわれます。
生鍋は、約180℃に熱した鍋に約200g程度の茶葉を入れ、1~2分程度炒めます。鍋は嬉野茶のような斜めになっている鍋を使い、青殺する作業者は椅子に座って、箒(ささら?)のような道具で茶葉をいるのが特徴です。
さらに少し鍋の温度をあげ、もう少し大きなまさに箒のような道具を使って形を作るとともに水分を飛ばします。これが熟鍋の工程です。
次に乾燥工程ですが、最初の「毛火」では、炭火の入った炉の上に籠をすっぽりと被せ、そこに籠に広げられた茶葉を水分が10~20%になるまで乾燥します。
さらに「小火」では、枯葉、茎などを取り除いた後、弱火にした炭火で水分が8~10%になるまで更に乾燥します。
最後に、「老火」をおこないます。この工程は、六安瓜片のなかで、独特な方法です。炭火で茶葉をさらに乾燥させ、香ばしい香りを作り出すための物です。 老火の加減は瓜片の色、香、味、形に大きく影響します。
温度の高い炭火の上に毛火の時よりも大きな籠を二人がかりで炭火の上にのせ、しばらく放置した後、火から下ろし、葉をかき混ぜた後、再び炭火の上に載せるという作業が繰り返されます。これは「拉老火」(拉とは、引っ張るという意味)とも呼ばれています。
こうして出来上がった六安瓜片は、とても香りのある、ボディーのしっかりした味わいが生まれるのです。