朝日黒茶の作り方
朝日黒茶
さて、このバタバタ茶で使われる「朝日黒茶」ですが、まさに中国の黒茶と同じように「後発酵茶」の製法として作られています。
製茶法を見てみると、一番茶、二番茶を摘まず、7月中旬から8月上旬にかけて、大きく育った茶葉を刈り取ります。今年(2009年)も7月24日からバタバタ茶の生産が始まったと北日本新聞が報道しています。
その茶葉の発酵を止めるために、まず大鍋で茶葉を茹で、黄土色になるまで煮ます。それをざるに取り水きりをして、むしろに広げて半日陰干しにします。このあたりは、雲南省の古い方式の晒青緑茶さながらといった感じですね。
さて、日陰干しされた後、茶葉は裁断され、2メートル四方の大きな木箱である「むろ」に積込まれ、人の足で踏んで固められます。板で囲い、この状態で後発酵が促されます。
後発酵方法としては、4日に一度、茶葉をほぐし摘みなおす作業を7~10回程度繰り返します。その際、茶葉の温度が60度以上に上がらないように管理されます。麹菌を死滅させないためであるといわれています。
約一月かけて後発酵工程が終了すると、茶葉はむろからだされ、むしろに広げられ、ふたたび半日程度陰干しされます。さらに、2~3日天日干しを行い乾燥させて出来上りです。
この朝日黒茶は、意外と飲み易いのです。後日ご紹介する四国の阿波番茶よりも酸味がなく、四川黒茶をあっさりと飲み易くした感じとでも言うのでしょうか。後発酵に際して乳酸菌の働きが強くないということなのかもしれません。
塩をひとつかまみ入れるのも、なんだか西蔵とかモンゴルのお茶のようで、そんな風習は、どこかモンゴロイドのDNAで繋がっているんだろうかなどと思ってしまいます。
そもそも、こんな黒茶が日本にあるのが面白いですね。
現在は、下記の施設でバタバタ茶の飲茶体験が無料で開催されているそうです。朝日町や糸魚川へお越しの際は是非立ち寄ってみてください。
富山県朝日町歴史公園 川上家
時間:9:00~15:30、料金:無料、休館:水曜、住所:朝日町横水300、電話:0765-83-1950
新潟県糸魚川の県史跡相馬御風宅
時間:10:00~15:00、開催日:6/3、7/1、8/5、9/2、10/7の5回、料金:試飲は無料ですが別途入館料が必要、住所:糸魚川市大町2-10-1
なお、ペットボトルや缶入りバタバタ茶も発売されていますので、興味のある方は試してみてください。
<関連リンク>
バタバタ茶(YOMIURI ONLINE)
いきいき富山館で缶入りバタバタ茶が買える?!
富山県朝日町の名産です。